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kangekinocafe

Author:kangekinocafe
観劇の記録と紹介です。

えびす組劇場見聞録メンバーです。
しばらくblogはお休みしていましたが、【演劇、観劇のカフェ】blogからこちらに引っ越して来ました。
どうぞよろしく。

観劇のカフェ
出会った作品について語ります。関連書籍や音楽も、できる限りご紹介します。
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地人会新社『根っこ』(4/4-28)
原題を「ROOTS」とする、アーノルド・ウェスカーの作品。
英国北東部、農業を営む両親(渡辺えり・金内喜久夫)と兄姉の住む地へ、末娘のビーティーが久しぶりにロンドンから帰省します。
話すことと言ったら、恋人のロニイがああ言ってた、こう言ってた、だからこうあるべきだという話ばかり。
傍から見たらうっとうしい娘のおしゃべりも、母親にとっては嬉しいのでしょう。
お風呂に入りたいと言ったら、蛇口をひねればお湯が出てくる環境ではないのですが、よたよたしながらお湯を汲んで娘のためにお風呂の準備。

それでもビーティーのおしゃべりは止まらず、教養の無い自分に考えることを与えてくれて開眼したとか、どうとかロニイの受け売りばかり。
そのロニイも、二週間後にはこの地に訪ねてくるのだと言います。
その時は、きちんとして出迎えて欲しいと家族に告げて、いよいよその日が・・・。


渡辺えり演じる母に、全編通して無償の愛を痛いほど感じました。
末の妹、ビーティーが受けた痛手、口やかましく姉夫婦にまであれこれ言っていたのに、そんな時に一番に駆け寄るのは姉でした。
気難しい父親も、そして兄も、口出しせずに見守ります。
しかし、現実を見ろよと言わんばかりに叱咤するのが、やはり母の愛。

それに気づいてよ~と思うけれど、当の本人はなかなか。

ビーティーは、ついに自分の言葉で話し始めたのでしょうか?
私には、ショックから一転して嬉しそうに話し出す彼女の姿は、ロニイという教祖に洗脳された信者にも見えて、まだまだ家族の心配は続きそうな、そんな家族の在り方に見えました。

現代の「ROOTS」ですが、邦題のタイトル「根っこ」として作品中のキーワードとなっています。
家系の、その生き方をたどるようでもあり、思想の根源でもあり、つきつめると何が私たちを形成しているのか、その意味は深い。
産まれてから今までだけが、今の自分でないことも、ちょっぴり考えされられました。

劇場に入った観客の第一印象に訴えかけるような、象徴的な家の壁。
あの美術の発想も面白いのですが、全然奇をてらった感じがしない。
そこがまた凄い。

この作品は、よく上演される『調理場』と前後して書いた“三部作”の一作、だそうです。
(『調理場』の舞台版、蜷川演出『キッチン』の観劇録はこちら

作・アーノルド・ウェスカー、訳・木村光一、演出・鵜山仁
美術・島次郎、照明・沢田祐二、衣裳・原まさみ、音響・斎藤美佐男

※地人会新社の公式サイトはこちら

ウェスカー三部作 (1964年) (晶文選書)

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テーマ:観劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

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