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Author:kangekinocafe
観劇の記録と紹介です。

えびす組劇場見聞録メンバーです。
しばらくblogはお休みしていましたが、【演劇、観劇のカフェ】blogからこちらに引っ越して来ました。
どうぞよろしく。

観劇のカフェ
出会った作品について語ります。関連書籍や音楽も、できる限りご紹介します。
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秘演『授業』無名塾(2/2-3/23)
無名塾授業2010年に、この仲代劇堂で観た『友達』。
若手が多く参加したこの作品も秘演でした。
(その時の仲代劇堂の様子はこちら

今回は、仲代達矢自らが主演する公演です。
イヨネスコの『授業』。
老教授には仲代が、女生徒には15期生の山本雅子、メイドには9期生の西山知佐が扮して、この不条理劇と言われる作品を、不条理たる所以の作品を、客席から手の届きそうな空間で魅せてくれました。

劇場となるこの場所は、普段は稽古場として使われています。
隅に二階部分からのラセン階段が設えてあるのですが、そこも舞台の一つとして。
授業が行われる部屋へと老教授が書籍を抱えて降りてきました。
稽古場という、塾生が教えを乞い、自らを成長させる空間での上演。
ここから観客は、幾度となく既成概念を裏切られ、老教授の狂気について自らに問いかける旅に出ることになるのです。

この日は千秋楽。
終演後に、仲代自ら不条理劇を上演するに至った挨拶がありました。
この作品から、観客それぞれが何かを感じて欲しいのだと締めくくって。
観客へと、その解釈が委ねられた、ニュートラルな上演でした。

無名塾の塾生は、女性は皆、世間離れした美しさを身に纏っています。
特筆すべきは、その見目麗しい女生徒と老教授の授業。
メイドが忠告に部屋に立ち入る行為も、ここでは痴情を抑制するものだと思っていました。
観るにつけ、もっと深い教授と生徒のギブアンドテイクの接点が見えてきます。
これまで教授が築いてきた知識とその上に成り立つプライド。
教授は、知識に飢えて、親の期待に応え、自らを高めたいと欲する女生徒へ、手を差し伸べたはず、でした。

言葉と行為が示す展開、その接点がずれて平行線をたどることの恐怖。

なんだか今の世の中と似ているような感覚に囚われてしまいました。

仲代劇堂1ところで客席は、このように個性的で重厚な趣のある椅子で作られています。
1951年に書かれた『授業』。
半世紀以上も前のフランスの戯曲の雰囲気そのままに存在するかのような舞台。
この密室とも言える空間が、私たち観客を異次元の世界へと誘いました。
これからも、この仲代劇堂で「秘演」と称して公演が行われていくことでしょう。
汗と涙と努力と喜びと知性を感じるこの空間での芝居を、いつか味わってみてください。

仲代劇堂2「稽古場を覆うレンガは外国の古いお城に使われていた物を利用しています。」(無名塾のサイトより)

観劇を終えると、いつも私はこう思います。
「この場所に居合わせることができて、よかった」と。

作・ウージェーヌ・イヨネスコ、翻訳・丹野郁弓、演出・林 清人、音楽・池辺晋一郎、装置・島 次郎、照明・遠藤正義、効果・山岸和郎、衣裳・竹林正人、殺陣・森岡隆見、舞台監督・山本弘人

(仲代劇堂にて)

授業・犀 (ベスト・オブ・イヨネスコ)
(1993/12)
ウージェーヌ イヨネスコ


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テーマ:観劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

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