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観劇の記録と紹介です。

えびす組劇場見聞録メンバーです。
しばらくblogはお休みしていましたが、【演劇、観劇のカフェ】blogからこちらに引っ越して来ました。
どうぞよろしく。

観劇のカフェ
出会った作品について語ります。関連書籍や音楽も、できる限りご紹介します。
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『長い墓標の列』(3/7-24)
長い墓標の列第二次世界大戦前の東京大学経済学部教授、河合栄治郎氏をモデルとした作品。
作・福田善之。

なんという緊迫感のある芝居だったのでしょう。
観客の全てがこの時期に、咳もくしゃみもなかったという3時間を過ごしました。

思想がまるで権力争いの道具と化し、どちら側につくかが運命まで左右してしまう。
専門用語が飛び交う中、観客は登場人物の信念を頼りに行方を見守っていました。

自らの思想を貫き、大学を追われる山名教授(村田雄浩)。
一番信頼する弟子の城崎(古河耕史)。
卒業後もゼミに顔を出しては、山名の身を案ずる新聞記者の千葉(北川響)。

1930年後半から戦時中までの、日本に渦巻く思想の嵐に、彼らも巻き込まれていきます。
自分の力では、どうにも太刀打ちできない時代。
思想でさえ出口の見えない暗黒の時代に突入。

そんな時代背景ですが、個々の考え方に着目すると、彼らの守るべきものが見えてくる、ような気がします。
自分の中にも共感できる部分が、きっとある。
彼らの言葉の中に出てくる「信念」。
「信念」を持って生きた時代の人々の、潔さ、清さ、したたかさ、に、今の自分の姿を映してみたくなりました。

男たちの思想を巡る戦いの傍らでは、家庭を守る妻、愛に目覚め始めた娘など、支え、守る女性の姿が作品を身近なものにしています。

戦争が奪うもの。
「墓標」が「長い列」になるタイトルが示すその意味を。

ところでこの作品、新国立劇場 演劇研修所の修了生が多数出演する企画です。
しかしそれを前面に出さず、ベテランが牽引する群像劇として作品の持つ緊迫感を持続しています。
プログラムを見て、修了生一人一人の名前と芝居を記憶に刻みました。

新国立劇場のサイトでは、こちらの修了生情報で、修了生の活動を知ることができます。

ゼミの若い学生たちだけでなく、作品の中枢に位置する弟子の城崎演じる古河耕史さんも、千葉を演じる北川響さんも修了生。
彼らはともに、40倍という入所希望者の中から研修所に入所し、一期生として卒業しました。
実際に、これまで新国立劇場以外で活躍する彼らの舞台も観てきました。

劇団とは異なる次元の演劇を学んだ彼らは、自立した俳優として世に出ているわけです。

それが演劇研修所の役割なのでしょうか。
まだ研修生公演というものを観たことがありません。
彼らの目指すもの、その過程にも目を向けたくなりました。

(公演の舞台写真はこちら

作・福田善之、演出・宮田慶子、美術・伊藤雅子、照明・鈴木武人、音響・上田好生、衣裳・半田悦子

(新国立劇場 小劇場にて)

※公演詳細は新国立劇場のサイトで。

☆『長い墓標の列』をはじめ、戦争を題材にした4戯曲を収録。
「戦争と平和」戯曲全集 (第8巻)「戦争と平和」戯曲全集 (第8巻)
(1998/10)
藤木 宏幸


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テーマ:観劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

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