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Author:kangekinocafe
観劇の記録と紹介です。

えびす組劇場見聞録メンバーです。
しばらくblogはお休みしていましたが、【演劇、観劇のカフェ】blogからこちらに引っ越して来ました。
どうぞよろしく。

観劇のカフェ
出会った作品について語ります。関連書籍や音楽も、できる限りご紹介します。
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文学座『セールスマンの死』(2/22-3/5)
多くの演劇愛好家の方は耳にしたことがあるタイトルでしょう。
果たして若い観客の、どれだけの方が、この作品をご覧になったことがあるのでしょうか?
と、いうのも、かつて上演されていたという話を聞いたことがあっても、近年は上演されていなかったように思うからです。

文学座では初、だそうで、新たに酒井洋子さんの翻訳で上演されています。

主人公のセールスマン、ウィリー・ローマン
誰々が演じた『セールスマンの死』というように、ウィリーを演じてきた俳優の話は聞こえてきても、他の登場人物の名が聞こえてこなかったのは何故でしょうか?
そう疑問を持つほどに、文学座公演では家族、友人、雇い主、そして憧れの兄など、ウィリーに関わる全ての人物の生きざまが見えていました。

この物語が始まってから、私たちは既に混乱の渦中にいるウィリー(たかお鷹)を目にします。
混乱の原因は?
それを紐解くのが物語の鍵であるかのように、ウィリーの追憶をたどっていきます。

息子にかける期待、栄光を信じていた昔。

現実の息子たちへの怒りと不満。

その溝が、周囲の人々の証言で徐々に埋まっていきます。
そんなスリリングな展開。
悲しいかな、ウィリーは父として、息子に怒りを覚えても、失望を認めることはできないのではないかと。
全てを傍らで見つめてきた妻のリンダ(富沢亜古)だけが、ウィリーの楽しみと悲しみの最愛の理解者でした。
彼女の発する一言一言に愛を感じ、胸が熱くなりました。

友人のビルにしても、然り。

残念なことに、どうしても彼らの想いが報われません。

それを阻むかのような息子たちの空回りする想い。

ウィリーに解雇を言い渡す雇い主のハワード(星智也)にしても、何もウィリーが憎いわけでもなく、彼が抱える会社と現在のウィリーの状況を案じては仕方のないこと。

翻訳の酒井さんがおっしゃるには、「この作品には誰一人として無駄な人物はいない」。
全ての人物との関わりが、ウィリーを窮地に追い込むとともに、現実世界で見守る人物となり得るのです。

これは、実際の私たちの社会生活においても同じではないでしょうか。
傍から見ると同じように見えるのだろうなと、1949年に初上演されたこの作品の本質が、現在でも変わらないことを痛感しています。

帰宅して、家族に『セールスマンの死』を観てきたと告げました。
すると映画を観た者は、「保険金のために自殺しようとするんだよね」と言いました。

私には、単にそう言い切ることはできません。
過去にしてきたことにずっと罪悪感を持ち、それを償う術を探しているように見えたウィリー。
打ちのめされるように共感できる部分もあることがショックでもあり、それを糧にこれからを見据えようと思ってみたり。
混沌と混乱の真っただ中に自分がいることにハッとさせられました。

音楽の、音響効果の持つ不思議な力を劇場で味わってみて欲しいです。

作・アーサー・ミラー、役・酒井洋子、演出・西川信廣、
美術・朝倉 摂、照明・服部 基、音楽・上田 亨、音響効果・中嶋直勝、衣裳・前田文子

(あうるすぽっとにて)

☆酒井洋子さんの翻訳ではありませんが、既存の翻訳本をご紹介します。
アーサー・ミラー〈1〉セールスマンの死 (ハヤカワ演劇文庫)アーサー・ミラー〈1〉セールスマンの死 (ハヤカワ演劇文庫)
(2006/09/20)
アーサー・ミラー

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☆映画DVD
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(2009/10/26)
フレドリック・マーチ、ミルドレッド・ダンノック 他

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☆ウィリー・ローマン役を滝沢修さんが演じた舞台プログラム。
舞台プログラム セールスマンの死(1966) 作:アーサー・ミラー 訳・演出:菅原卓 出演:滝沢修、小夜福子 ほか舞台プログラム セールスマンの死(1966) 作:アーサー・ミラー 訳・演出:菅原卓 出演:滝沢修、小夜福子 ほか
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舞台プログラム セールスマンの死(1984公演) 作:アーサー・ミラー 演出:滝沢修 出演:奈良岡明子 ほか舞台プログラム セールスマンの死(1984公演) 作:アーサー・ミラー 演出:滝沢修 出演:奈良岡明子 ほか
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