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Author:kangekinocafe
観劇の記録と紹介です。

えびす組劇場見聞録メンバーです。
しばらくblogはお休みしていましたが、【演劇、観劇のカフェ】blogからこちらに引っ越して来ました。
どうぞよろしく。

観劇のカフェ
出会った作品について語ります。関連書籍や音楽も、できる限りご紹介します。
能登演劇堂『マクベス』(9/8-11/15)
能登中島にある演劇堂で2ヶ月に渡って上演された無名塾の『マクベス』。

演劇堂は小高い山をバックに自然の中に存在する劇場です。
そこに登場する魔女の存在は、泥臭い風貌ながら、地を這うというよりは空を漂うような怪しさに山に棲みつく生きものが抜け出て来たような印象を受けました。
3人の魔女(川村進、山本雅子、渡部晶子)たちは、最初から最後まで自分たちの口から発した予言が確かに行われることを見届けているような、常に自然=宿命の存在を意識させるものでもありました。

まずここで、マクベスの登場シーンについて述べなければなりません。
マクベスに扮するのは仲代達矢
演劇堂の舞台の背後が静かに開くと、そこに屋外の森林の風景が見え、戦を終えたマクベス一行が行進して来ました。
魔女たちが物陰から見守る中、遠くから馬上の騎士が一人、二人と先導して、ゆったりと馬に乗ったマクベスが登場します。
その光景はまるで黒沢明監督の映画のワンシーンを観ているような感動で心も体も震えました。

魔女の予言に一喜一憂し、運命に翻弄されるマクベス。
その予言がマクベス夫人(若村麻由美)の野心に火をつけました。
若く美しい夫人可愛さにマクベスは悪事に手を下し、彼らは共に理性を失ってゆくのです。

個人的には『マクベス』という舞台作品において、マクベスに暗殺された前王ダンカンの息子マルカムの描き方にとても関心を持っています。
狂気の王となったマクベスを倒さんと、マクダフがマルカムに討伐のため立ち上がって欲しいと訴える場面では、本心を隠してはぐらかすマルカム。
象徴的に描かれる場合が少なくないのですが、この作品ではマルカムの力強さが一つの見せ場を作りました。

何かに操られるようにエスカレートしていくマクベスと夫人の残忍さに立ち向かうのに、マルカム(松崎謙二)の激しい戦意が、そして魔女の予言によれば唯一マクベスを倒せるマクダフ(赤羽秀之)の誠実さが最後にバーナムの森を動かしました。
再び舞台の背後が開き、日没後の闇の中で森がうごめく場面は圧巻です。
マクベスの最期を見届ける魔女たち。
能登演劇堂という自然に囲まれた劇場だからこそ、作品の神秘性が信憑性を帯びて観客の心に映りました。

さて、この能登演劇堂へ行くのに意外と不便はありません。
公演時間に合わせて、能登空港から、そして金沢駅からそれぞれ飛行機の到着時間に合わせた乗り合いタクシーやバスが運行されているのです。もちろん帰りも。
早く到着したら能登中島の街を散策。
写真のように、「無名塾公演の歩み」というパネル展が民家らしき建物で行われていました。
街中どこを見ても、この公演を応援していることが伝わります。
無名塾がこの地に深く根付いていることを感じました。
      無名塾パネル展.JPG

作・W・シェイクスピア、翻訳・小田島雄志、上演台本・隆巴、演出・林清人、
音楽・池辺晋一郎、魔女の舞指導・西田蕘、装置・垣内紀男、照明・寺田義雄、効果・八幡泰彦、衣装・河盛成夫、石川君子

※公演詳細は能登演劇堂のサイトで。

(能登演劇堂にて)


☆作・W・シェイクスピア、訳・小田島雄志
シェイクスピア全集 (〔29〕) (白水Uブックス (29))シェイクスピア全集 (〔29〕) (白水Uブックス (29))
(1983/01)
ウィリアム・シェイクスピア


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テーマ:演劇・劇団 - ジャンル:学問・文化・芸術

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