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kangekinocafe

Author:kangekinocafe
観劇の記録と紹介です。

えびす組劇場見聞録メンバーです。
しばらくblogはお休みしていましたが、【演劇、観劇のカフェ】blogからこちらに引っ越して来ました。
どうぞよろしく。

観劇のカフェ
出会った作品について語ります。関連書籍や音楽も、できる限りご紹介します。
「五嶋龍presents アンサンブルDITTO デビューinジャパン」
ヴァイオリニストの五嶋龍の働きかけにより、日本で初めてデビューする「アンサンブルDITTO」。
五嶋龍がニューヨークで出会ったメンバーは、今や韓国で活躍している肩書きは一流の若手音楽家です。
ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの四重奏。
演奏が始まると、それぞれの音楽に陶酔しているように見えましたが、互いの音を聴き、呼吸を合わせ、まるで一つの楽器のように息の合った美しく楽しい音色を響かせていました。
五嶋龍も加わり、同世代の音楽家同士の協調と信頼と尊敬が浮かび上がります。

私が注目したのは、ピアノのジヨン。
軽妙なタッチ、情緒豊かな音色、アンサンブルとしての彼の演奏にも惹かれますが、ソロも是非聴いてみたい。

今後の活動から、目が放せない音楽家集団です。

ところで、タイトルだけでなく、五嶋龍は司会も進行も、全て一人で務めていました。
DITTOのメンバーの準備が整うまでのトーク、1曲終わり、観客にその反応を尋ねる様など、最初から最後まで責任を持って、そして自信を持ってアンサンブルDITTOを日本の聴衆に紹介するその姿勢に、音楽家としての喜びが感じられました。
まだ若い彼の演奏を初めて聴いた日が思い出されます。
音楽とともに成長した彼の姿を見て、なんだか嬉しくなりました。

※公演の詳細は、公式サイトで。

(東京国際フォーラム ホールAにて)

☆Ensemble Ditto Carnival 韓国盤 【CD】
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(2009/05/13)
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☆【CD】五嶋龍/パガニーニアーナ
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(2010/05/19)
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コクーン歌舞伎『佐倉義民傳』(6/3-27)
下総佐倉の領主の圧制に苦しんだ領民のために名主木内宗吾が江戸へでて、将軍に直訴する事件'(チラシ文より)
この実在した人物の無念の想いをコクーン歌舞伎の新演目として上演されました。
賛否両論ある作品、ということを耳にしていました。

芝居の部分は役者の懸命な奮闘ぶりが心を打ちます。
七之助の扮する娘・おぶんの、江戸に憧れを抱いたまま死んでいく薄幸な少女。
その繊細な表現は、設定やセリフ以上に苦しい状況を生きる民の叶えられなかった希望の姿として訴える力を感じました。

コクーン歌舞伎ならではの、現代の要素も取り入れた演出の色濃い作品でもありました。
百姓の訴えが、ところどころラップにのせて、共鳴しながらその「声」が沸き上がってきます。

そして迎える最後、直訴が叶わなかった宗吾(勘三郎)が家族もろとも処刑され、それを見守る百姓たちの訴え。
ラップにのせて宗吾の無念さ、民の心を揺さぶる「声」の渦が巻き起こりました。

しかし最後の最後、その生活の悲惨さを訴える「声」の趣が少々違ってきます。
カーテンコール間際に、ラップのせて演じた俳優が唱えるのは、現代の社会が抱える問題の数々。
それが妙にひっかかります。
今の時代への批判をストレートに持ち出さずとも、作品でそれを伝えればいいのではないかと疑問を持ちました。
もっと芝居の部分で観客に訴えて欲しかった、と思います。

演出・美術・串田和美、脚本・鈴木哲也、
照明・齋藤茂男、音楽・伊藤ヨタロウ、作調・田中傳左衛門、補曲・国広和毅、ラップ歌詞・いとうせいこう

※作品の詳細は、歌舞伎公式webサイトで。

(シアターコクーンにて)
オペラ『鹿鳴館』(6/24-27)
5日にオペラパレスのホワイエで行われたオペラトークで、上演台本と演出の鵜山仁が三島作品をオペラ化する苦労を語りました。

戯曲の言葉を変えてはいけない規則があるそうで、台詞を削ることで上演の短縮の調整をしたそうです。
苦心した甲斐あってメリハリの効いた作品に仕上がっていました。

有名な戯曲ならでは、観客の記憶と想像力が神秘な鹿鳴館の作品の世界へと導きました。

今回は女性陣の功績の大きさを感じます。
朝子役の腰越満美(25,27日)は姿、歌唱ともに際立つ美しさで聴衆を魅了します。
オペラは曲調と強弱で人物の特徴と感情が表に出るのが分かりやすいですね。
日本語ならではの作品の理解も楽しみの一つ。

カーテンコールでは帰る人はほとんど無く、最後は企画した故・若杉弘の遺影に出演者も観客も拍手を送り、別れを惜しみました。

原作・三島由紀夫
指揮・沼尻竜典
上演台本・台本・鵜山仁、作曲・池辺晋一郎
企画・若杉 弘
芸術監督代行・尾高忠明

※公演の詳細は、新国立劇場のサイトで。

(新国立劇場 オペラパレスにて)

☆作・三島由紀夫鹿鳴館」新潮文庫
鹿鳴館 (新潮文庫)鹿鳴館 (新潮文庫)
(1984/12/24)
三島 由紀夫

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戦中戦後三部作『フツーの生活』沖縄編(6/18-23)
44プロデュース公演、中島淳彦・戦中戦後三部作『フツーの生活沖縄編の千穐楽。
この23日は、沖縄慰霊の日でした。

ニュースでは一日中そのことを伝えていました。
沖縄の人々にとっては、その日から何も変わっていないこと、そしてその前に受けた苦しみを忘れてはならないことを痛感したのでした。

さて、舞台を見上げると、人が通れるほどの隙間から明るい光が射し込んでいます。
戦中の、沖縄の言葉で言うガマ(自然洞窟)の内側が舞台。
観客はガマの中にいるような錯覚を起こしながら、ここに避難する人々の生活を息を飲んで見守ります。

日本で唯一地上戦が行われた地、沖縄。
米兵の上陸、ガマの外に聞こえる爆撃音、そして足音。
避難する人々には情報も届かず、銃を突き付けられた市民はいったいどうすれば良ったのでしょうか。

ガマの中、閉ざされた世界で一緒に不安を味わいながら、思案を巡らせました。

ここにいる人々は、銃を向けられ、英語で話かけられた時、言葉の意味がわからずに身を縮めるか、威嚇して叫ぶことしかできませんでした。
外にいる米兵には、中にいるのが日本兵か市民の区別もつかず…手榴弾を投げ込まれて終わりです。
そう、ここで物語は終わってしまいました。

この物語はフィクションですが、同じような目に遭った人々がどれほどいたことでしょう。
同時にナレーションが、ガマから出て捕虜となった人々について語ります。
それらの人々は助かったそうですが、そこでどんな生活があったのかはわかりません。

演劇は、実際の再現ではありませんが、その一端を追体験することにより、登場人物の置かれた状況と感情を推し測ることができます。

忘れてはならない、繰り返してはならない出来事が、この舞台にはありました。
沖縄の人々にとってのフツーの生活とは。
戦後65年経って、果たして日本の考え方は変わったのでしょうか?
現実のいつまでも解決しない論争を見るにつけ、不安が募りました。

作・演出・中島淳彦

※公演の詳細は、公式サイトで

(紀伊國屋ホールにて)

石丸幹二 kanji ishimaru in concert 2010


石丸幹二、デビュー20年目の初のコンサートの最終日でした。
リリースしたばかりの初のソロアルバムCDの発売を記念したコンサートでもあります。

選曲にかなりこだわりが感じられます。
そして一曲一曲感情移入して歌詞をしっかりと客席に届けようとする歌声は、俳優として演技の評価も高い彼ならではの姿でした。

さて、クラシックの基礎を持つ歌手がミュージカル界に彗星のごとく現れる、というのは今では珍しくありませんが、石丸幹二、彼こそ元祖、な気がします。

小さい頃から劇団四季の舞台を見てきた観客にとって、彼の登場~歩んできた軌跡はとても一口では言い表せません。
劇団四季には17年間在籍していたのだそうです。

今年45才になる石丸幹二の今だから語れる言葉とともに、二部制のコンサートではたっぷりと彼の舞台人生観が語られているような楽曲が披露されました。

ゲストに一路真輝を迎えてのトークとデュエット、さらには楽曲のニュアンスを伝えたいと「ダンス・エスメラルダ~ノートルダム・ド・パリより」をフランス語で歌い上げるなど本当に印象深い選曲が続きます。

この一週間、『ニュー・ブレイン』ガラ・コンサートをこなし、トニー賞中継番組のゲスト出演でアメリカをとんぼ返りするなど話題が尽きませんでした。
かなりのハードスケジュールのためか高音に少々安定感がなかったのが残念です。
しかし役を通して大いに期待が持てる歌いっぷりに、コンサートは大盛況のうち幕を閉じました。

構成・演出・白井晃

※公演の詳細は、石丸幹二の公式サイトで。

 今年のミュージカル『エリザベート』では、トート役にキャスティングされています。

(東京オペラシティ コンサートホールにて)

☆ソロアルバム「kanji ishimaru」(2枚組)
 視聴できます
 
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価格:5,000円(税込、送料別)




東京裁判三部作・第三部『夢の痂』(6/3-20)
東京裁判三部作(第一部は『夢の裂け目』、第二部は『夢の泪』)、最後の作品の舞台は終戦から2年後。
しかし何年経っても大切な人を亡くした人々にとっては、戦争というキズが消えることはありません。

東北のとある町にある屋敷の蔵で管理を任されていた古道具屋の徳次(角野卓造)。
ある日、徳次はこの屋敷に天皇が訪れるための予行演習で、陸軍で参謀を務めていたからという理由で、天皇の役を頼まれました。
それは、おもてなしの予行演習、のはずでした。
ところが、その屋敷の娘絹子(三田和代)が徳次に対して発したのは、戦争責任を追及する言葉でした…。

戦後、地方で穏やかに暮らす人々にとっては、戦争は「過去」になりつつあるように見えました。
しかし、その戦後をカサブタとするならば、家族や恋人を失い戦後を生きる人々にとっては、その下に癒えぬキズがあることを、私たちは忘れてはならないのです。

作・井上ひさし、演出・栗山民也、
音楽・クルト・ヴァイル、宇野誠一郎、音楽監督・編曲・久米大作、美術・石井強司、照明・服部基、音響・黒野尚、衣裳・前田文子

※公演の詳細は、新国立劇場のサイトで。

(新国立劇場 小劇場にて)

☆作・井上ひさし「夢の裂け目」集英社
夢の裂け目夢の裂け目
(2001/09)
井上 ひさし

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☆作・井上ひさし「夢の泪」集英社
夢の泪夢の泪
(2004/07/17)
井上 ひさし

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☆作・井上ひさし「夢の痂」
夢の痂夢の痂
(2007/01/06)
井上 ひさし

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サントリーホール ブルーローズサロンコンサート Vol.4(6/5)
今月5日にサントリーホール入口左手にある小ホール・ブルーローズ
そこで行われたのは『パリの恋人たち~フランソワーズ・サガンのエスプリ』と題したリーディングと室内楽のコンサート。

Vol.4と言うのですから、定期的に開催されているのでしょう。
私も今からVol.5が待ち遠しく感じられるのですから、ファンが多いのも頷けます。

ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、そしてクラリネットが加わり奏でるのはブラームスの楽曲。
しっとりとした弦の調べの後、サガンの小説について書かれたくだりがある田辺聖子の「ほのかに白粉の匂い」の中からのリーディングセッションが行われました。

途中、サガンと親交のあった村上香住子がサガンの素顔を語るなど、作家と作品を知ることができるなかなか面白い趣向でした。

なかでも一番の魅力がリーディングセッションです。
サガンの「ブラームスはお好き」の章では、文学座の小野洋子が描く女性像(ポール)、浦井健治の透明感ある青年像(シモン)、2人の語りに作品の人物像が浮かび上がります。

セリフ以外に「ほのかに白粉の匂い」の文も語る小野洋子は、作者・田辺聖子の茶目っ気たっぷりな主観も、サガンの人物も語り分け、心地良い響きを耳に残してくれました。

※公演の詳細は、サントリーホールのサイトで。

(サントリーホール ブルーローズにて)

☆田辺聖子「ほのかに白粉の匂い」講談社文庫

☆フランソワーズ・サガン、訳・朝吹登水子「ブラームスはお好き改版」新潮社

『6月歌舞伎鑑賞教室』(6/2-24)
今月の国立劇場は、歌舞伎鑑賞教室
歌舞伎の解説と作品の上演がある、歌舞伎を気楽に楽しめる趣向です。

歌舞伎のみかたの解説は、柔らかい語りが魅力の澤村宗之助
今回は歌舞伎観劇初心者に、よりオススメの内容です。

観客の中から代表者に舞台へ上がってもらうのですが、私が観た日は高校生の団体が観劇。
好奇心旺盛そうな女子高校生が2人、舞台へと導かれていきました。
舞台構造の説明から、鳴り物、歩き方、見栄、人物の化粧の解説など、彼女たちに体験させての説明がわかりやすい。
舞台ではさらりとこなす所作に、実は鍛練が必要なことを再認識するのでした。

後に上演される『鳴神』に関連していたので、公演は大盛り上がり。

帰りに高校生の観客の感想に耳を傾けるのも楽しかった!

19時開演の「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」もあります。
 今月は11日(金)と18日(金)。

※公演の詳細は、国立劇場のサイトで。

引き続き、7月も歌舞伎鑑賞教室が行われます。
歌舞伎のみかたの解説は、期待の若手 中村壱太郎中村隼人
子役の頃から知る観客にとっては、立派になったなぁと感慨深いですね。
歌舞伎の上演は、「身替座禅
社会人のための歌舞伎鑑賞教室」は20日(火)、23日(金)です。
来月も、乞うご期待!

(国立劇場 大劇場にて)
音楽の祭日「荻江節演奏会」(6/13 )
13日、【音楽の祭日】特別共催として、鎌倉小町のぎゃらりー伊砂・貸和室にて「荻江節演奏会」が行われました。
(左の写真の座敷が会場です)

リーフレットの解説を要約すると、この【音楽の祭日】とはフランスにおいて文化事業新興の目的で始まり、開催日は6月21日(夏至)と定められ、その後海外に発展、現在では特に「音楽は全ての人のもの」という基本精神に則りこの日の協賛音楽イベントは、入場料を全て無料にしなければならないとされているそうです。

さて、荻江節演奏会では日本音楽を気軽に楽しんで聞いてもらえるようにと、この基本理念に賛同し開催されました。

最近は大劇場での演奏もありますが、荻江節は本来は座敷芸風の唄なのだそうです。
唄と三味線を座敷で演奏する様を、座敷に入り切れなかった聴衆は庭から聴きます。
日常の中で、ちょっと特別で贅沢な一時を楽しみました。

音楽の祭日については、こちらの公式サイトで。

(ぎゃらりー伊砂・貸和室にて)
『ドレッサー』(6/4―13)
作・ロナルド・ハーウッドの『ドレッサー』。

渡辺哲小宮孝泰プロデュース・出演の作品です。
共演者(マッジの大西多摩恵、夫人の久世星佳)と演出(大谷亮介・出演も)にも恵まれて、まるでウエストエンドで芝居を観るような、そんな洒落た空気を感じながらじっくりとセリフと空間の芝居を味わいました。

実はこの芝居、2005年8月にパルコ劇場で観たことがあります。(その時のマッジは久世星佳が演じていました)
主に作品の状況に関心を持ったパルコ劇場での観劇とは異なり、今回はより座長とドレッサー(付き人)、そして彼らを取り巻く人々の心情が胸に響きました。
忘却の恐怖に怯える年老いた座長、アルコールに依存しながら自身を奮い立たせるドレッサーの緊迫感が直に伝わってきます。
舞台に立つものだけが知る苦しみは、もしかしたら喜びより大きいのかもしれない。
そんな作品の作り手たちの人間臭い悩みが、観客の胸を貫きました。

脚本・ロナル。ハーウッド、翻訳・松岡和子、演出・大谷亮介、
音楽・サンポーニャ演奏・野田晴彦、舞台美術・松野潤、照明・五十嵐正夫

(吉祥寺シアターにて)