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kangekinocafe

Author:kangekinocafe
観劇の記録と紹介です。

えびす組劇場見聞録メンバーです。
しばらくblogはお休みしていましたが、【演劇、観劇のカフェ】blogからこちらに引っ越して来ました。
どうぞよろしく。

観劇のカフェ
出会った作品について語ります。関連書籍や音楽も、できる限りご紹介します。
『兵士の物語』(12/25-28)
今年1月の『イノック・アーデン』続く「言葉と音楽のシリーズ第2章
今回は朗読と呼ぶにはあまりにアクティブな展開の物語です。
9月に音楽とバレエによる英国ロイヤル・オペラ・ハウス版兵士の物語』(新国立劇場 中劇場にて)が上演されました。
(公演の詳細はパルコ劇場のサイトで)
兵士をアダム・クーパーが、そしてストーリーテラーをウィル・ケンプが務めるという魅力的な配役。
王女、その他もバレエダンサーが表現するという、幻想的な世界を生み出していました。
最初は観客もヴォードビルを観に来ているような、そんな感覚から舞台の物語へと引き込まれていきました。
オーケストラの演奏に、優雅なダンスが舞台を彩ります。

さて、日経ホールオープニングシリーズの『兵士の物語』。
こちらは登場人物全てを石丸幹二が務めます。
舞台にはオーケストラの代わりにピアノとパーカッション。
そして脇には衣裳が数点置かれています。
そこへ石丸幹二が登場し、舞台の上の小道具に至るまで、全てに命を吹き込みました。

2週間の休暇をもらい、故郷の母に会いに行くひとりの兵士。
悪魔と知らず出会った人物の誘いについついのってしまう兵士。
3日のつもりが3年の時が経ち、故郷へ帰れば亡霊扱い。
引き換えに手に入れた豊かな暮らし。
しかし満たされない兵士の気持ち。
姿を変えて兵士につきまとう悪魔。

丁寧に読み聞かせ、声色で人物に変化をつけるその舞台に、我々はイメージを投影して観ていました。
悪魔の囁き。
その誘惑が意味するものを考えずにはいられませんでした。

作曲・イゴール・ストラヴィンスキー、原作・アファナシェフ、脚本・C・Fラミューズ
翻訳・岩切正一郎、演出・白井晃、照明・小川幾雄、美術・長谷川庸子、音響・松山典弘
出演・石丸幹二、ピアノ・石岡久乃、パーカッション・平子久江

※公演の詳細は公式サイトで。

(日経ホールにて)

☆「SUPER BEST 100 70::ストラヴィンスキー:兵士の物語」CD
 タイトル(英名):『STRAVINSYK: HISTOIRE DU SOLDAT』
 ナレーションはジャン・コクトーです。
  

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『當る寅歳 吉例顔見世興行』(11/30-12/26)
京都の南座で11月末から約1ヶ月行われている 吉例顔見世興行

歌舞伎役者にとってもこの顔見世興行は特別なものであると聞いています。
劇場入口には写真のように「まねき」と呼ばれる役者の名前の札が掲げられており、その特別さを物語っていました。

観客にとっては演目に対する配役が豪華なのも楽しみの一つです。
その分観劇料も手が届きにくいのですが、この配役も一期一会。えびす組のコンスタンツェと旅行を決め込み楽しんできました。


今年を振り返れば、私自身にとっては旅&観劇の當り年だったように思います。

来年は観劇の楽しみを多くの人と分かち合えることを願っています。
お読みいただき、ありがとうございました。

※公演の詳細は歌舞伎公式Webサイトにて。

 まねき看板についても書かれています。
 贔屓の役者の名前を探すのも楽しいです。

(京都南座にて)

バルカン半島の同時代演劇-紛争地域から生まれた演劇-(12/16-19)
国際演劇協会主催のドラマリーディングが、神楽坂にあるシアターイワト3階で上演されています。

紛争地域から生まれた演劇」という名のもとに、今回は「日本・ドナウ交流年」に因んで、ドナウ河の文化圏の中でも長く紛争を経験した地域が取り上げられています。

セルビア足跡~TRACKS
クロアチア大統領の殺し方
ルーマニア『ケバブ
上演されているのは、この3作品。

11月には「平和の構築と演劇の可能性をさぐる!」というテーマでシンポジウムも行われていたようです。

さて公演初日に観たのは、『大統領の殺し方
作・ミロ・ギャヴラン、翻訳・舟川絢子、演出・野崎美子
出演・坂本三成、金子あい、関戸将志、篠山美咲

あらすじを紹介すると、
大学で社会学を教えるロバート(坂本三成)と精神病院のマネジャーである妻のステラ(金子あい)、そして二人の子供たち。
夫婦はお互いに忙しいけれど平穏な日々を送っています。
そこへ突然、9年ぶりにメキシコからロバートの弟のイゴール(関戸将志)が婚約者(篠山美咲)を連れて訪れてやって来ました。
その理由とはこの国を訪問するアメリカ大統領を暗殺するため。
自分たちの生活を守るためにステラが考え出した方法とは・・・。

ステラの夫もかつては政治的な信念を反骨精神で貫いてきました。
しかしステラと出会い、家族を持つことで得た幸せを今は噛み締めています。
身内にテロリストがいることが、家族にどんな影響を及ぼすことか。
そして想像を絶するステラの作戦。
家族を守ろうとするが故の恐さ、横暴さが、この地に生きる人々がようやく手に入れた平穏な生活を逃すまいとする状況と紙一重であることを物語っています。

舞台の主な照明は、天井からぶら下がる電灯のみ。
この光の陰影が読み手の心情を映し出し、時折入るパーカッションの音色が徐々に変化する状況の緊迫感を伝えていました。
読み手の俳優全員が舞台にいます。
読む場面に登場していない人物も、物語の中で話題になると、舞台の上でその人物の顔が浮かび上がっている、そんな効果をリーディングで示してくれました。
読み手の俳優の確かな技量も聴き応えがあります。

※公演の詳細は国際演劇協会のサイトで。

(シアターイワト 3階にて)
『Nine The Musica』(12/11-27)
G2演出の『Nine The Musical』。
嫉妬、見栄の張り合いなど、女性の醜い部分が露出しています。
まず舞台裏から見せてしまうことから、それは意図してさらけ出されるものなのかもしれません。
美しい外見と、個々の主張が強調される女性たち。
競い合うように存在する「美」が、人物の軽薄さを浮き彫りにしています。

一方、身から出たサビ、そんな女性たちに翻弄される映画監督のグイード。
今回のグイードは、外見が若くシャープなイメージの松岡充。
女性たちがほおっておかないのは一目瞭然ですが、過去の栄光にすがり名声を追いかける過程が、かえってコミカルに映ります。

女性たちが代わる代わる前面に出てくることで、グイードとの心理的な絡みが希薄になってしまったようです。
強引に結論に至った感がありました。

演出・訳詞・上演台本・G2、
音楽監督・荻野清子、振付・前田清実、美術・島次郎、照明・高見和義、音響・井上正弘、衣裳・出川淳子
翻訳・薛珠麗

※公演詳細は公式サイトで。

ナイン』の映画が12月18日からアメリカで公開されます。
こちらは海外のサイトになります。
クリックすると音楽が流れます。

(ルテアトル銀座にて)

ナイン』という作品を初めて観たのはロンドンでした。
2003年、劇場はドンマー・ウエアハウス、演出はデヴィッド・ルヴォー。
洒落たショッピングモールにある小さな劇場の、確か2階席でしたが、舞台の上の透明なテーブルを見下ろすように観劇。
舞台装置と次々と登場する女性達の美意識が圧巻で、子供時代のグイードが求めた愛の切なさを感じた作品でした。

そして東京では同じくデヴィッド・ルヴォーの演出で、tptが日本版としてアートスフィア(現在は天王洲 銀河劇場)で初演『ナイン THE MUSICAL』そして再演『ナイン THE MUSICAL 2005』を上演していたのはご存知でしょうか。

幕が開いたその瞬間に眩いばかりの美しさが目に飛び込んできました。
ロンドンよりも大きな劇場で、舞台となるスパをイメージした水を使った舞台が特徴でした。
大勢の女性たちが、次第に個性豊かな一人ひとりとして存在感を発揮します。
一人の女性を愛せない、いえ本当の愛し方を知らない中年男性グィードが、あっちに愛想、こっちに愛想とどの女性も手放せない中で、やがて別れと愛について深く知ることになります。
愛人のカルラ(池田有希子)の妖精のように幻想的な美しさ、プロデューサー(大浦みずき)の上から目線で役柄そのままに観客と接する愛嬌が語り継がれる印象的な作品でした。

その美しい舞台(再演)については、ほぼ日刊イトイ新聞に掲載されています。

再演ではグィードは別所哲也ですが、初演の福井貴一の哀愁が漂うグィードも忘れられません。

ほぼ日刊イトイ新聞(2005年5月27日)のサイトに、デビッド・ルヴォーがこのミュージカルについて語った「ー デヴィッド・ルヴォーのことばー」が掲載されています。
彼がこの作品で何を表現したかったのかが書かれています。

tptの「ナイン THE MUSICAL」CDは、tptのサイトで購入できます。

☆「8 1/2」普及版 DVD
 「Nine」は、フェデリコ・フェリーニの自伝的作品のこの映画を原作としています。
 主演・マルチェロ・マストロヤンニ
 

☆「NINE -ナイン-」
 演出・デヴィッド・ルヴォー、主演・アントニオ・バンデラス
 2003年再演版ブロードウェイ・キャストによるスタジオ録音CD

NineNine
(2003/06/03)
Various

商品詳細を見る


☆こちらはJonathan Pryce主演のCD「Nine / O.L.C.」
1993/7発売 2枚組
オリジナル・ロンドンコンサートキャスト盤、Elaine Paige も出演。
Nine / O.L.C. (Slim)Nine / O.L.C. (Slim)
(2010/01/12)
Nine、O.L.C. 他

商品詳細を見る


12月『社会人のための歌舞伎入門』(12/11,22)
今月は左のポスターの写真のように
頼朝の死』(作・真山青果)
一休禅師』(作・坪内逍遥)
修禅寺物語』(作・岡本綺堂)
の三本立てで上演されています。

毎回楽しみな国立劇場の歌舞伎鑑賞教室歌舞伎入門
今月の歌舞伎入門では、『修禅寺物語』を取り上げています。
個人的には6月にオペラで『修禅寺物語』を観たので、大変興味がありました。

作品にまつわる解説の後に上演されるので、物語の状況を把握した上で鑑賞することができます。

より作品が身近に感じられるこの機会、19時開演なのも、上演時間が短いのも、そして終演後に劇場前から各方面への都バスが運行しているのも、足を運びやすいのではないでしょうか。

※公演の詳細は国立劇場のサイトで。

(国立劇場 大劇場にて)
グリング『jam』(12/9-23)
作・青木豪の作品は今までにちょくちょく観たことがあるのですが、なぜか本拠地の「グリング」公演は今回が初観劇となりました。
再演の『jam』。
日常の、いや日常でも知る人しか知らないような状況を深く掘り下げて、こんな人いる!いやいないよと思いながら、とあるペンションに来た客とオーナーの会話を舞台を挟んで、観客は覗き見しているポジションです。
知らない人の表の顔だけでなく、意外な面や事情が垣間見えるのがペンションのロビーでしょうか。
他人に行動が詮索される、いや気にかけていただける、そんなアットホームなところもあり、オーナーの生活も同居しているのがペンション。
そんな中で人の数だけ想いがあるのを忘れていない作品です。

お馴染みさんを始め不特定な人がわざわざ好んで足を運ぶところが、劇場という空間に似ているような気がします。
この作品はグリングの第18回活動休止公演ということで、なんだか初めて宿泊したペンションで、今月で閉めるんですよと言われているような、そんな気分を味わいました。

作・演出・青木豪、
照明・日高勝彦、美術・田中敏恵 舞台監督・筒井昭善、効果・青木タクヘイ、衣装・ヘアメイク・栗原由佳

※公演詳細はグリングの公式サイトで。

(東京芸術劇場 小ホール1にて)
『東京カテドラルで聴く クリスマスの夕べ』
会場は椿山荘の向かいにある東京カテドラル聖マリア大聖堂。
中は反響の効果抜群に作られた厳かで壮大な教会です。

<<第1部>>
ロシア国立モスクワ・アカデミー合唱団による題して〈世界のアヴェ・マリアを歌う〉
アカペラど歌う声が室内を包み込むように響き渡ります。
何曲か後に、オルガンの音色に後ろを振り返ると、聖マリア教会には立派なもパイプオルガンがあるのが見えました。その音色も優しく染み渡ります。

そして、ギターのソロ。
曲目はコンポステラ組曲の2.コラール。
奏者は大萩康司
1978年生まれの彼は華々しい経歴を持ちながらも瑞々しい感性でギターの柔らかな音色を聴かせてくれました。
スペインの作曲家の作品というところが、第2部へと聴衆の気持ちを繋げます。
穏やかな心持ちで歌声と演奏を楽しんだ後には、特別な趣向の第2部へと続きます。

<<第2部>>
ノーベル文化文学賞を受賞した作家・フアン・ラモン・ヒメネスの散文詩『プラテーロとわたし』。
「ギターと語りのための」楽曲より7篇の抜粋です。
作曲・マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ
詩・フアン・ラモン・ヒメネス
訳詩・濱田滋郎(音楽評論家/スペイン文化研究家)

冒頭で訳詩の濱田滋郎から作品の解説がありました。プラテーロとは毛並みの色。銀色の毛並みをしたロバへ注ぐ優しさに溢れた全28篇から7篇を選りすぐり、ギターと朗読、そしてモスクワ・アカデミー合唱団メンバーのボーイソプラノを起用して披露されました。
先頃『ヘンリー六世』(演出・鵜山仁、新国立劇場)でよく透る明瞭な声で情緒豊かに独白を語っていた浦井健治が、ギターの音色に合わせてその詩を歌うように語ります。
ギター奏者と息を合わせ、プラテーロへの溢れる愛情の数々が耳にも心にも優しく届きました。

大聖堂で過ごした慈しみの時間です。

(東京カテドラル 聖マリア大聖堂にて)

☆『プラテーロとわたし』CD
 演奏:福田進一 試聴できます
 

☆「プラテーロとわたし」岩波文庫
 作・フアン・ラモン・ヒメネス、訳・長南実
 

☆『CAMINO DEL VIENTO』(風の道)CD
 演奏:大萩康司 試聴できます
 

『読売日響&辻井伸行 特別演奏会』(12/3)
祝!ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝
読売日響&辻井伸行 特別演奏会


<<第1部>>
指揮:下野竜也、管弦楽・読売日本交響楽団
作曲・フンパーディンク、歌劇「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲で始まり、
作曲・チャイコフスキー、バレエ音楽「るみ割り人形」から、馴染みのある軽やかな音楽が演奏されました。

そして<<第2部>>では、
作曲・ラフマニノフ「ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 op.18」が、同じく指揮・下野竜也、そしてピアノ演奏が辻井伸行で行われました。

コンクールのファイナルでも演奏された「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番」。
辻井さんの演奏をライブで聴くのは初めてでしたが、彼の感情がそのままピアノの音色として伝わってくるようでした。
そして精巧な技術で生み出される音の一つ一つに感動しました。
辻井さんのピアノを演奏する姿を見ていると、鍵盤を見るという作業がないので、彼の想いがそのまま指を伝って音として響いてきている、そんな風に感じられます。

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番」は、テレビでコンクールのリハーサルの様子を見た時、辻井さんが指揮者の息遣いを感じて指揮に合わせるということを知りました。
このオーチャードホールで、私は1階席のかなり後方に座っていたのですが、指揮者の合図となる息遣いが聴こえてきました。
もちろん呼吸はバッチリ。
素晴らしく雄大なラフマニノフを聴かせてくれました。
語りにしても、歌や演奏にしても、発せられるそのものに感情が込められて、初めてその作品として成立し、聴く者に届くのだということを痛感しました。

感動を味わうということは、心を豊かにするのだと思います。
だからこそ、ライブで作品に触れたいという想いから逃れられない気がします。

(オーチャードホールにて)

※コンクールやそのスケジュールについては、HMVのサイトに詳細が記されています。

☆「ラフマニノフ / ピアノ協奏曲第2番、ほか 辻井伸行、佐渡裕&ベルリン・ドイツ交響楽団」(CD+DVD)
 試聴できます
 

☆「川のささやき~辻井伸行サントリーホールLIVE!」DVD
 この日、アンンコールでも演奏されました。自作の曲です。
 

☆「辻井伸行 第13回ヴァン・クライバーン国際コンクール・ライヴ(日本語解説付)」CD
  試聴できます 
 

☆「辻井伸行/世界が感動した奇跡のコンクール・ドキュメント」(CD+DVD)