FC2ブログ
カテゴリ

最新記事

QRコード

QR

リンク

このブログをリンクに追加する

月別アーカイブ

プロフィール

kangekinocafe

Author:kangekinocafe
観劇の記録と紹介です。

えびす組劇場見聞録メンバーです。
しばらくblogはお休みしていましたが、【演劇、観劇のカフェ】blogからこちらに引っ越して来ました。
どうぞよろしく。

観劇のカフェ
出会った作品について語ります。関連書籍や音楽も、できる限りご紹介します。
えびす組劇場見聞録第32号
えびす組劇場見聞録第32号が出来上がりました。
メンバー4人がそれぞれ選んだ作品と評をお楽しみください。

こちらをクリックすると、「えびす組」のホームページに跳んで、お読みいただくことができます。
「えびす組劇場見聞録」第32号は、1下記の劇場に設置される予定です。
劇場への直接のお問い合わせはご遠慮下さい。

◆世田谷パブリックシアター◆シアタートラム◆相鉄本多劇場
◆テアトルフォンテ◆シアターサンモール◆タイニイ・アリス
◆駅前劇場◆こまばアゴラ劇場◆シアターX◆銀座小劇場
◆STスポット◆カメリアホール◆みどり会館◆シンフォニア岩国
◆山口情報芸術センター◆文学座アトリエ◆北九州芸術劇場
◆七ツ寺演劇情報センター◆山手ゲーテ座◆にしすがも創造舎
◆シアターZOO◆横浜赤レンガ倉庫1号館◆急な坂スタジオ
◆まつもと市民芸術館◆画廊Full Moon◆吉祥寺シアター
◆川崎市アートセンター◆王子小劇場◆サイスタジオ◆d-倉庫
◆アトリエS-pacenew!!
◆アトリエセンティオnew!! (順不同)

「えびす組劇場見聞録」ホームページ掲載演劇作品一覧も、演劇に興味がありましたらご覧ください。過去に取り上げた作品を掲載しています。

劇場に置かせていただいているのは、B5サイズ縦書きの瓦版。
見かけたら、手に取ってみてください。

スポンサーサイト
『コースト・オブ・ユートピア』(9/12-10/4)
作・トム・ストッパード
第1部から3部まで、合計9時間に及ぶ大作がシアターコクーンで上演されています。
本日は昼夜とも第1部(約3時間)が上演されました。

文献がなかなか見つからず予備知識無しで観ることになりましたが、登場人物などは劇場入口で配布されるキャスト表が助けになります。

対面式の客席中央にある舞台。
この空間の演出には驚かされました。
時と場所、まさしく時代と空間の見事な居どころ変わりを楽しみつつ、登場する人物の息遣いが観客を魅了します。
そこで生きる人々の生き様から目が離せなくなりました。
シンプルな舞台だからこそ、登場人物の心情が浮かび上がります。

1830年、ロシアから始まる物語。
目を輝かせて哲学を語り、文学を愛し、熱弁を奮う若者たち。
恋を知り、尊厳を重んじる彼らの、青春というにはあまりにもほろ苦い時代です。
志し半ばで命燃え尽きる者もいれば、貫くその思想故に国を追われる者には苦悩が、そして希望が、サブタイトルそのままに表わされています。


     1部   VOYAGE 船出
     2部  SHIPWRECK 難破
     3部  SALVAGE 漂着

壮大な人生の旅が始まりました。

どんどん物語に引き込まれて、次がどうなるのかと気持ちが逸ります。
通しで観ても、9時間はあっという間のことでしょう。

作・トム・ストッパード、翻訳・広田敦郎、演出・蜷川幸雄、美術・中越司、照明・室伏生大、音楽・朝比奈尚行、衣裳・小峰リリー、音響・鹿野英之

※公演詳細は、Bunkamuraのサイトで。

 事前に少しでも情報を得たい方は、このサイトの翻訳家の広田敦郎さんのレポートが参考になります。

(シアターコクーンにて)

『ザ・ダイバー』日本バージョン(8/20-9/20)
野田秀樹 芸術監督就任記念プログラム『ザ・ダイバー
昨年10月にイギリス人キャストで上演された作品の日本バージョンです。
前回同様「能」を下敷きにした演出と、お囃子による演奏。
記憶を無くした容疑者(大竹しのぶ)に自身を思い出させようと、精神科医(野田秀樹)が向き合います。
殺人の容疑がかかる女性。彼女は何者で、何故、殺人を犯したのか?

夢の中にいるような女性の発言、対して警部(渡辺いっけい)と検察官(北村有起哉)がいやらしいほどの俗っぽさで我々観客を現実へと引き戻します。

前回腑に落ちなかった「能」を取り入れた演出が、今回は真意もはっきりと観客の想像力を掻き立てました。
「能」が形ではなく記憶の体現として伝わります。

私は誰なのか?
女性の口から出る様々な人物の名前。
名前の海をかき分けて進む彼女のダイバーとしての動きが能の所作と相まって、奥深い記憶を辿るイメージさながらに彼女の苦悩までも伝えています。
それを観ている私たちも苦しみ、最後には悲しみを共有したように思いました。

作・演出・野田秀樹、美術・堀尾幸男、照明・小川幾雄、作調・田中傳左衛門、音響・高都幸男

※公演詳細は、東京芸術劇場のサイトで。

※『ザ・ダイバー特設サイト

(東京芸術劇場 小ホールにて)

☆「新潮 2009年 09月号」に、この作品の戯曲が掲載されています。
 

坂東玉三郎が語る『泉鏡花・天守物語』(9/5)
言の葉コンサートシリーズ。
坂東玉三郎による作・泉鏡花天守物語』の朗読です。
音楽は横笛(奏者は藤舎名生)のみ。
ト書きの朗読は、山本昴尚。
舞台の背景には、玉三郎が舞台で着た打ち掛け、そして物語の要となる獅子が飾られて、7月に上演された舞台の情景が思い出されます。

怪しい笛の音に導かれ、静かに始まる物語。
登場人物は全て玉三郎が声色で演じ分けますが、際だった人物は玉三郎が舞台で演じた天守に住まう富姫のみで、華美な演出はせずに語られていきます。

玉三郎と言えば、舞台で舞う華麗な姿が印象的ですが、静かに語る朗読で聴く者に舞台が見えていたからこそ逃していた情景を細部まで伝えてくれました。

冒頭での挨拶で、この朗読を始めて3年目だという話がありました。
作品を読みこなした人物だからこそ、伝えられるものがあるように思いました。
これからも機会があれば、作品の真髄を私たちに語り伝えて欲しいと願います。

※今回行われた詳細は、保谷こもれびホールのサイトで。

(保谷こもれびホール メインホールにて)

☆作・泉鏡花「夜叉ケ池・天守物語」岩波文庫
 

ミュージカル『ジェーン・エア』(9/2-29)
今でも見られるのかわかりませんが、10年ほど前にロンドンにある大英博物館でブロンテ姉妹直筆のノートが展示されていました。
その頃はエミリー・ブロンテの『嵐が丘』に夢中だったので、直接目にした感激もひとしおでした。

時を経て、『嵐が丘』(2002年、脚本・演出・岩松了)は舞台化され、松たか子がキャサリンを演じました。
そして今、シャーロット・ブロンテ原作のミュージカル『ジェーン・エア』の幕が上がり、主演のジェーンを同様に松たか子が演じ、歌っています。

観劇したのはプレビュー公演(9/1)でした。
ミュージカル『ジェーン・エア』では、自分の心の声に正直に、そして信念を持って力強く生きる女性の姿に共感を覚えます。
そして試練の後の喜びに希望を見出すジェーンの、なんて力強いこと。
ジェーンに松たか子の姿が重なりました。
ラ・マンチャの男』が父・松本幸四郎そのものならば、この『ジェーン・エア』は松たか子が描く女性の生き方そのものに映ります。

そのジェーンを見守り、自身の心のよりどころを彼女に求める邸の主人ロチェスター
扮する橋本さとしが心の襞も細やかに、情感たっぷりに心の自由を求め苦悩する姿を描いています。
彼が語るNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」のナレーションを聴く度に、こういう内面がにじみ出る芝居を観てみたいと思っていたものです。

悲しい歌も、嬉しい歌も、耳に残るその旋律がいつまでも作品の余韻を楽しませてくれました。

原作・シャーロット・ブロンテ、脚本・作詞・演出・ジョン・ケアード、作曲・作詞・ポール・ゴードン
翻訳・吉田美枝、訳詞・松田直行、編曲・ブラッド・ハーク、ラリー・ホックマン、スティーブ・タイラー
美術・松井るみ、照明・中川隆一、衣裳・前田文子

※公演詳細は、公式サイトで。

(日生劇場にて)

☆「ジェーン・エア(上巻)改版」「ジェーン・エア(下巻)改版」新潮社