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kangekinocafe

Author:kangekinocafe
観劇の記録と紹介です。

えびす組劇場見聞録メンバーです。
しばらくblogはお休みしていましたが、【演劇、観劇のカフェ】blogからこちらに引っ越して来ました。
どうぞよろしく。

観劇のカフェ
出会った作品について語ります。関連書籍や音楽も、できる限りご紹介します。
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『花咲くチェリー』(5/22-31)
劇団文学座の本公演の千穐楽に観劇。
主人公のジム・チェリーを、かつては北村和夫が演じており、今回は「北村和夫追悼」という文字が作品名とともに入っていました。
今回はその役を渡辺徹が演じます。

子育てを終えようという保険会社に勤めるジム・チェリー(渡辺徹)の家庭に、ある日林檎の苗木販売業者(石川武)が訪ねてきました。
一家の大黒柱のジムが、農地もないのに、林檎農園を作る相談を業者に持ちかけていたというのです。
このことはジムの長年抱いていた夢でした。
しかしこの「夢」が、夫婦間の問題として、二人の関係が大きく変わる出来事だったのです。

何をするにおいても煮え切らない夫の性質に愛想をつかしながら、家庭を支えている聡明な妻イゾベル(名越志保)。
彼女の姿に、女性が家庭に入るということは、夫に自分の実現できない夢を託し、共に苦労をしてでもその夢をカタチにすること、それが妻としての夢、そして希望であることを痛感しました。

いざとなると、新しい一歩を踏み出せない夫。
未経験の世界に踏み出すことをためらっている、意外にも妻が本当に愛想をつかしたのは、そんな夫の姿でした。
彼女が欲しかったのは、共に手をとって人生を歩むパートナーであることに私たちが気付いた時には、すべてが遅かったのです。

子育てを終えようとする時、妻にとって一番大切なこととは何か。
そして人の心に入った小さなヒビは、年月をかけて大きく修復不可能になっていく様を見せられたように感じました。

作・ロバート・ボルト、訳・坂口玲子、演出・坂口芳貞、美術・乘峯雅寛、照明・金英秀、音楽・加藤健一、音響効果・望月勲

※公演詳細は、文学座のサイトで。

(紀伊國屋ホールにて)

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シネマ歌舞伎・特別編『牡丹亭』(5/30-7/10)
シネマ歌舞伎・特別編の『牡丹亭』は、5月30日に初日を迎えました。
坂東玉三郎が女形として昆劇でヒロインの杜麗娘(とれいじょう)を演じた日中合同公演の『牡丹亭』は、昨年3月に京都・南座で、5月には中国の北京で上演され、今年3月には中国の蘇州で公演が行われました。
プログラムによると、蘇州は昆劇のふるさとなのだそうです。

このシネマ歌舞伎『牡丹亭』は、第1部は蘇州での様子をおさめたドキュメンタリー、第2部は坂東玉三郎自らが編集に携わった舞台公演の上映です。

昼の回の上映前に、玉三郎による舞台挨拶がありました。
まず司会者が、初日は映画の作品のお誕生日であるという言葉でこの作品の上映を祝います。
そして玉三郎が、昆劇に出演し、蘇州語での上演となった経緯について語った後、自分の役割は、過去の素晴らしい作品をお客様に届ける配達人であると語りました。
お客様に見ていただかないと成り立たないということをベースに真摯に語るその姿は、常に観客を意識して舞台に立つ玉三郎の魂そのものに映ります。

レスリー・チャンの言葉として映像の中で語られている内容について、正しくはコメントに詳細をいただきました。
ドキュメンタリーの中で語られた言葉で忘れられないのは、「役者には華がたくさんあるけれど、同じだけ苦しみがある」という意味のもの。
だからこそ、いくつもの華を持つ玉三郎は希有な存在であり、乗り越えた者だけが与えられる輝きを放っているのだと思いました。

同じ時代に坂東玉三郎の作品に触れられるのは、私にとっては観る者の喜び、そして励みに感じられるのです。

※映画の詳細はシネマ歌舞伎のサイトで。

シネマ歌舞伎の鑑賞は、2度目となります。
前回観たのは『ふるあめりかに袖はぬらさじ

(東劇にて)

※写真にある牡丹の花は、映画の初日に開花を合わせて育てられたのだそうです。
 この美しく咲く牡丹の花ひとつにも、私たちの目には見えない生産者の苦労があったのでしょう。

☆和樂ムック「坂東玉三郎」~すべては舞台の美のために~小学館
 役の姿、化粧法、楽屋、休暇でダイビングを楽しむ写真など掲載。
 2008年1月に蘇州を訪れた時の様子も、インタビューとともに掲載されています

坂東玉三郎 すべては舞台の美のために (和樂ムック)坂東玉三郎 すべては舞台の美のために (和樂ムック)
(2009/04/01)
坂東 玉三郎



『春のめざめ』(5/2-)
とにかくロンドンで観たこの作品『SPRING AWAKENING』(邦題:春のめざめ)は、キャストと音楽のエネルギーに圧倒され、舞台と客席との一体感に魅了されたのでした。

そして、日本では日本語で劇団四季が日本版として上演。
開幕直後の舞台を観て感じたのは、舞台と客席の距離感=壁でした。

しかしそれは、20日前の話です。
こう言い切れるほど、舞台の上の‘思春期に思い悩む彼ら’は、内に秘めた欲求、不安、絶望、そして主張するエネルギーを、客席に向けて放っていました。
すなわち彼らの心の叫びが、今まで感じていた舞台と客席という隔たりを超えて、観客に届きつつあることを意味しています。

そうやって彼らの気持ちが真っ直ぐにぶつかってくるほど、観客も歩み寄るものだと痛感しました。

特にメルヒオール(柿澤勇人)とモリッツ(三雲肇)、彼らの舞台の上での成長には目を見張るものがあります。
登場人物の想いが歌と声で表現される、その根底にある感情に突き動かされているのを感じました。

さて、実はこれは舞台の上の出来事です。
ステージの上に設けられた客席には、彼らの足音や息遣いがそのまま伝わってきます。
願わくば、劇場全体が同じ気持ちでありますように。

(劇団四季 自由劇場にて)

劇団四季のサイトで、開幕までの制作日誌がご覧になれます。

☆「SPRING AWAKENING」CD
 オリジナル・ブロードウェイ・キャスト盤
 

☆作・フランク・ヴェデキント、訳・酒寄進一「春のめざめ」長崎出版
  

『謀~hakarigoto~』(5/27-30)
演劇集団3days旗揚げ公演。
作・石橋昇、演出・田中晶。

盗みを生業としている集団。
誰が一番先に殺されるかが賭けの対象となり、そこで出た名前が坂本龍馬。
そんな時代が背景の舞台です。

URASUJI』のように裏の稼業が題材となるところが、この時代の特徴でしょうか。
あちらは大きな声では言えない殺しが稼業の集団でしたが、こちらは盗み専門。
庶民の楽しみが「文通」。と言っても、仲介業者に金を渡し、誰とも分からぬ人が互いに文をやり取りして会うことはない、という奥ゆかしい楽しみがあったとういう設定が、この作品の儚いロマンスの下敷きにありました。

裏の裏をかきながら裏の仕事をする人々など、魅力的な構想の脚本、そしてシンプルな舞台に俳優のセリフが映えていただけに、少々キャラクターの幅を広げ過ぎた感があるのが気になりました。

※公演の詳細は川崎市アートセンターのサイトで。

(川崎市アートセンター アルテリオ小劇場にて)
『その受話器はロバの耳』(5/23-31)
劇団青年座の本公演。
作・土田英生、そして演出は、若手の須藤黄英

土田作品といえば、現実の日常なのか、それとも鏡に映したようにそっくりな非日常なのか、えも言われぬ不思議な感覚と鋭いツッコミのシビアな作品というイメージを持っています。

とある離島のその名も‘ヘソ島’にあるコールセンター(お客様相談室)が舞台です。
東京の会社のコールセンターを地方に設置するという話は、実際にもよく耳にします。
この会社も本社は東京。
ここでの受付内容は、製品に対する苦情や意見なのですが、中には指名して電話をしてくる人もあるようです。

突然、本社から新しい室長が赴任してきたと思ったら、途端に社が欠陥商品の発表。
ヘソ島の現地採用の社員と本土からの転属社員との思惑、だけではない緊迫した状況へと物語は大きく展開していきました。
コールセンターとしての本領発揮、鳴り止まぬ電話。

こんな時に、こんな時だからこそ、うっ積していた問題がどんどん大きくなって、しまいには爆発してしまいます。
小さな島の大事件の顛末は・・・。

コールセンターのオフィスは、リゾート地の建物のようです。
本音と建前、ホントとウソが、セット同様に二重構造になっている緊迫感がありました。
さらにグイグイと抉るように女性たちが叫ぶ本音のリアルなこと。
このあたりが女性の演出家ならではの「本音」と「ホント」の描写なのだとつくづく感心しました。

そしてただの悪者になってしまいがちな会社側に立つ室長の困惑ぶりが、彼の真剣さ、人の良いいい加減さが憎めないからリアリティがあります。
扮するのは、綱島郷太郎
最近は(『アケミ』で見せたような)等身大の中年男性が懸命に生きる姿が共感を呼んでいます。

月曜日に観劇。一般4,500円の料金が、マンデー割引で3,000円に!
劇団の粋な計らいです。

作・土田英生、演出・須藤黄英、装置・伊藤雅子、照明・宮野和夫、音響・中島正人、衣裳・半田悦子

※公演の詳細は劇団青年座のサイトで。

(下北沢 本多劇場にて)

『タトゥー』(5/15-31)
公演中の劇団四季『春のめざめ』を観た方は、この作品の理解が深まると思います。

ドイツのある家庭が舞台。
大人から、親から、父親から、愛情という名のもとに蔑まれた二人の娘と、彼女たちの母親、そして長女が出会った青年。

そこで語られる出来事は、父親が他言するなということは、この行為に後ろめたさを感じているという証だと思うのです。
気に入られた長女。妬んでいたはずが、姉が出て行ったら次は自分だと案ずる妹。
彼女たちは、その先がどうなるか知っています。
それでも避けられなかった。
学校に行きたい、住む所を失いたくないという、ただそれだけの望みで、妹は家に留まりました。

舞台を見るとわかりますが、役者たちは感情を極力押さえて、芝居に臨んでいます。
不自然に思えるこの演出が、次第に救いに感じられました。
ありのままだったら、たまらない。
観客が描ける限界は、個々に異なります。
それぞれが耐え得る想像力を働かせて、目の前の出来事から娘と母親の苦痛、そして幸せに想いを馳せていました。

作・デーア・ローアー、翻訳・三輪玲子、演出・岡田利規、
美術・塩田千春、照明・大迫浩二、音響・福澤裕之、衣裳・堂本教子

※公演詳細は新国立劇場のサイトで。

(新国立劇場 小劇場にて)
『五月大歌舞伎』(5/2-26)
例年ならば、5月の歌舞伎座は『團菊祭五月大歌舞伎』と銘打って公演が行なわれます。
しかし歌舞伎座は来年4月をもって閉館のため、歌舞伎座さよなら公演五月大歌舞伎という幕がかかっていました。

写真は、5月1日から設置されたカウントダウン時計。
5月23日現在で、閉館まであと「343日」という時を刻んでいました。

※歌舞伎座「五月大歌舞伎」の演目詳細はこちら

近くの新橋演舞場では、同じく『五月大歌舞伎』を上演。
昼の部「祇園祭礼信仰記 金閣寺」では、中村芝雀が初役で雪姫を演じていました。
つまさきねずみ’と呼ばれる縄で縛られた雪姫がつま先でねずみを描く場面では「とざい、とぉざ~い」という声とともに人形振りで演じられる口上まであり、厳かな心持で見せてもらいました。  

※新橋演舞場「五月大歌舞伎」の公演詳細はこちら

6月も、歌舞伎座新橋演舞場で歌舞伎が上演されます。

歌舞伎座新橋演舞場にて)
大パルコ人 メカロックオペラ『R2C2』(4/27-5/31)
2044年、渋谷にパルコがかつてあった場所が舞台です。
その時既に、音楽で主張することを奪われた時代となっていました。
ここに登場する若者たちの父親は、一世を風靡したロッカーだったという設定です。
逆算すると、その父親世代が受けた音楽の影響は、ローリング・ストーンズや、ザ・フー、劇中で演奏される曲調に懐かしさを覚えるあたりで、音楽の好みと年代がわかるというものです。

2044年に、クワトロ森山未來)が作り出したサイボーグR2C2松田龍平)が彼の元を逃げ出した。これが事の発端です。
外の世界を知ったR2C2、彼の本来の使命とは。
感情と状況がパロディを交えて表現され、めちゃくちゃに思える発想の奥には、孤独な人々の姿が描かれています。

思いの他、サイボーグと称するロボットのような扮装のR2C2松田龍平が可愛らしい。朴訥とした雰囲気が、退廃的な世の中で生きる青年サイボーグの一途な存在を映し出していました。
そしてこの作品の作者であり、出演もしている宮藤官九郎の奏でるギターに酔いしれ、釘付けとなりました。
森山未來の歌声が心に染み渡ります。


普段の芝居にはない驚きと発見が、たくさんありました。
切ないけれど、楽しかった。

作・演出・出演・宮藤官九郎、音楽・宮澤タク、
美術・小泉博康、照明・吉川ひろ子、音響・山本浩一、衣裳・伊賀大介

※公演の詳細は、パルコ劇場のサイトで。

(パルコ劇場にて)

『ESCOLTA Singing Drama 2009 ~Spring Special~』(5/21-22)
ミュージカル『マルグリット』で、初めて知ったのが「ESCOLTA」です。

アルマン役の田代万里生は、既にこの「ESCOLTA」のメンバーとして活躍していました。
今やミュージカル俳優としての活躍が目覚ましい山崎育三郎も、かつてはメンバーだったそうですが、彼は昨年で「ESCOLTA」を卒業
今回は三人になって、初めてのライブだそうです。

会場はキリスト品川教会 グローリア・チャペルで行われました。
十字架を正面に見ながら、場内には彼らの歌声が響き渡ります。
時にはマイク無しで、生の声で聴衆を魅了していました。
そして当初よりメンバーの指導にあたった恩師をサプライズゲストに招いて、「ESCOLTA」発足のエピソードが披露されました。

温か味溢れるメンバーのトークに引き込まれ、そしてそれぞれが持つオペラやポップスの歌声を融合させたコーラスに聞き惚れて、あっという間の2時間でした。

次回はもっと大きな会場、赤坂ACTシアターでライブが行われます。

※公演詳細は「ESCOLTA」のサイトで。

(キリスト品川教会 グローリア・チャペル)

☆ESCOLTA「JOURNEY AROUND THE BLUE MARBLE」CD
 会場で配布された歌詞カードが「ブルーマーブル」。
 丁寧にサビの合唱指導があり、場内全員で歌える雰囲気を作るところは、さすが。
 その「ブルーマーブル」を収録。 こちらのサイトで視聴できます。
 

studio salt『天気のいい日はボラを釣る』(5/20-24)
死刑囚と向き合う刑務官の苦悩という大きな問題に圧倒された『中嶋正人』。
えびす組劇場見聞録第30号」にも、受け手の想いを綴りました。
スタジオソルト、作・演出の椎名泉水
作品への真摯な眼差しは、この新作でも見ることができます。

とある河原で釣りをする初老の男性。
天気のいい日はボラを釣っています。
そこに簡単な居を構え、顔なじみの仲間たちが集まってきます。

ニュースで見聞きしていた事を、私たちはここで文字どおり客観的に彼らの生き様を傍観するわけです。
なぜ、彼らがそこにいるのか。
なぜ彼らは、市の職員による宿泊先の紹介を拒否するのか。

そして彼らの立場から見える周囲の人々を、赤裸々に見せています。
何をもって人は優位な立場となるのか、など、はっとさせられました。

別の一歩を踏み出すのに必要なものとは。
具体的には描かれていなくとも、目の前の出来事が、観る者の心に訴えかけます。

ある場所を切り取った一場面から真っすぐに心に届く声無き声。
無駄のない脚本、真摯な演出、それがスタジオソルトの舞台です。

作・演出・椎名泉水

※公演詳細は、studio saltの公式サイトで。

☆彼らの舞台裏や、日々の活動がUPされている「塩日記」。

(王子小劇場にて)

※写真は、毎回その完成度が楽しみなチラシとチケット。


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