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kangekinocafe

Author:kangekinocafe
観劇の記録と紹介です。

えびす組劇場見聞録メンバーです。
しばらくblogはお休みしていましたが、【演劇、観劇のカフェ】blogからこちらに引っ越して来ました。
どうぞよろしく。

観劇のカフェ
出会った作品について語ります。関連書籍や音楽も、できる限りご紹介します。
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『第35回俳優祭』(4/27)
私にとっては、初めての俳優祭。
歌舞伎座では、最後の俳優祭でした。

舞踏二題。
長唄『狸八島
立役の役者が素顔で踊る様は、観ていて背筋がピンと伸びるような清々しさがありました。
三階席からも顔がわかるので、周囲の大向さんの掛け声に合わせて心の中で屋号を叫んでみたり。
大和楽『おまつり
そして、女形の俳優が白塗りの浴衣姿で踊ります。
白塗りでずらっと並ぶ姿は、誰もかれも美しく、案外一目で誰だかわかりませんでした。
どちらも飾り気の無い舞踏の美しさ、楽しさを堪能しました。

とにかく初めてなので、右も左もわかりません。
次の出し物は「お楽しみ模擬店」。
役者が個々にブースを持ち、お客に対面して販売するという大サービスぶりです。
親子のブースは、子供の役者はお店やさんごっこのような楽しさに、声を張り上げ頑張っています。
その可愛さに、通りかかる観客は放っておくことはできません。
人垣ができて、近寄れないところもありました。
もう一頑張り、最後の一つまでお客に届けようという役者は、お店を飛び出しパフォーマンスで魅了します。
地下へ行っても、一階から三階まで、各階どこに行っても素の役者が迎えてくれる、とても贅沢な夢のような一時間でした。

そして10分休憩(?)と、タイムテーブルには書いてありました。
最後は演出・市川團十郎、作・中村京蔵山崎咲十郎の『灰被姫 シンデレラ』賑木挽町戯場初(にぎわうかぶきざことはじめ)。
玉三郎がヒロインを、勘三郎がその継母を務め、台本にあるのかないのかその掛け合いで観客を沸かせます。
本筋以外のところで、ある役者の婚約を祝ったり、お祝いとお祭り気分満載の芝居です。
本筋では、ガラスの靴ではなくガラスの扇の落とし主探しが始まり、落とし主なら使いこなせるに違いないと、あれやこれや芸の披露も盛り込まれ、歌舞伎役者のセンスの良さ(シャレでなく)が発揮された作品でした。

テレビの中継が入っていたようなので、近いうちにこの華やかなお祭りの様子を皆で共有できることでしょう。
その時は、お見逃しなく。

※公演の詳細は、日本俳優協会の公式サイトで。
プログラムによると、「俳優祭」は福利厚生基金募集のために催されているのだそうです。

(歌舞伎座にて)

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『最後の炎』(4/15,18,22)
新国立劇場の小劇場では、シリーズ・同時代【海外編】の『シュート・ザ・クロウ』が上演中です。
その期間中、日時限定で(配布された資料によると)現代戯曲研究会の番外編として、3作品の連続リーディング公演が行われています。
この公演の期間中にはドイツの社会派の劇作家デーア・ローアー(1964年生)による『最後の炎』。
この作品の上演は終わりましたが、次の『タトゥー』の公演中には、5人の演劇作家による共同作品の『タロットカードによる五重奏のモノローグ』のリーディング公演が行われます。
通常行われているシアター・トーク同様に、シリーズ作品を観た観客は入場無料という、嬉しい企画です。

『シュート・ザ・クロウ』のセットを背景に、舞台の上で読み上げるのは、新国立劇場演劇研修所の研修生たち。
卒業公演はなかなか観る機会がありませんでしたが、こういう形で日頃の彼らの成果を確認することができる、観客としても長い目で見て楽しみな企画でした。

複数の俳優が読み上げることにより、そして演出により、登場人物の緊迫した状況が直に伝わるようでした。
その情景は聞く者の想像力に委ねられています。

チケットをお持ちの方は、是非、こういう機会も見逃さずに劇場へ足を運んでみてください。

作・デーア・ローアー、翻訳・新野守広、演出・森新太郎

※期間中のスペシャルイベントの詳細は、新国立劇場のサイトで。

(新国立劇場 小劇場にて)

※写真は、配布された解説満載のスペシャルイベント連続リーディングの資料です。

『回転木馬』(3/19-4/19)
ロンドンではロングラン公演が行われているミュージカル『回転木馬』が、銀河劇場で一カ月あまり上演されていました。

先月観たロンドン版では、物語に沿ったセットと衣装という印象で、クラッシックな雰囲気の映画のような舞台作り、というところだったでしょうか。
平日の昼に観劇したこともあり、客席には老夫婦が多く見られました。
映画でも有名な作品ですから、きっと懐かしく舞台を楽しみたいという想いだったのでしょう。

一方、日本では若手ミュージカル女優の人気と実力ともにトップの一人と言われる笹本玲奈がヒロインのジュリーに。
そしてジュリーの愛するビリーにミュージカルの舞台で活躍が目覚しい浦井健治を配し、若い観客をターゲットにしている姿勢がうかがえます。

演出のロバート・マックイーンは、シャープな舞台作りで魅せていました。
回転木馬の客引きビリーの不安定な心情を内面から描いており、浦井がそれに応えます。
不器用ゆえか、気の短さか、それが全て災いして望む人生を歩めないビリー。
その憂さを晴らすのに、道を踏み外していきます。
事件がもとで自ら命を断った彼が、一度だけこの世に戻る権利を与えられ、そこで見せた想いが胸をゆさぶります。
地上での時はあっという間に過ぎ、15歳に成長し、投げやりになっている娘の卒業式で贈られた「両親の成功は自分のものではない、また同じように両親の失敗はあなたのものではない。あなた達はこれから二本の自分の足であなたの人生を歩いていく」という言葉を聞き、その言葉を信じて生きよ娘の傍らで呼びかけるビリー。

ジュリーの存在、そして今までの彼の愚かな行いは、このクライマックスに向けたものであったのかと、長い長い物語は後悔と希望で締めくくられています。
美しい音楽に彩られている名作ですが、ロンドン版は古き良き時代の情景をそのままにゆっくりと懐かしく、そして日本版は作品の言わんとすることにスポットライトを当ててテンポよく軽快に、それぞれの特徴が興味深い観劇となりました。

ビリーを演じる浦井健治は、作品を追うごとに一段、また一段と歌唱と表現力を磨いた姿を見せてくれます。
それも楽しみの一つとして、この作品を堪能しました。

作曲・リチャード・ロジャース、脚本・作詞・オスカー・ハマースタイン二世
翻訳・常田景子、訳詞・森雪之丞
演出・ロバート・マックイーン、音楽監督・指揮・塩田明弘、美術・二村周作、照明・小川幾雄、衣裳・半田悦子

※公演の詳細は天王洲銀河劇場のサイトで。

(天王洲銀河劇場にて)

☆『回転木馬』 製作50周年記念版DVD
 


小澤征爾音楽塾『オーケストラ・プロジェクト1』
配布されたプログラムによると、小澤征爾音楽塾は2000年に始動したそうです。
以前よりずっと気になっていましたが、ようやく聴くことができました。

オーケストラ・プロジェクト1』は、4月6日の京都コンサートホールでの公演の後に東京は4月9日にサントリーホール、そして13日~17日には中国で公演が行われました。
塾生となるオーケストラのメンバーは若手ばかり。
中国人のメンバーもいるようです。
指揮はもちろん小澤征爾
そして今回の演目は、
ラヴェル作曲「マ・メール・ロワ」
ベートーヴェン作曲「交響曲 第7番イ長調作品92」

さて、楽団員の入場に拍手が起こります。
そして彼らとともに小澤征爾も一緒に入場。拍手がより大きくなります。
通常、楽団員が座って準備を整えたところで満を持したように指揮者が入場するのですが、共にやろう!の気構えを感じさせてくれる場面です。

奏でられる音のなんて瑞々しいことでしょう。
演奏中の彼らの顔を見ると、本当に輝いた目で指揮者に注目しています。
そしてなんて動作が機敏なことか。
サッと振り下ろされる指揮棒に、吸い付くように楽団員の手が動いています。

演奏が終わると、指揮者にとともに楽団の塾生の顔に満足そうな表情が浮かんでいました。
そして、彼らを指導するコーチが塾生の背後に並んで登場します。
コーチの一部は演奏に参加していましたが、並んだコーチの笑顔に塾生の成果が見て取れました。

演奏後、指揮の小澤が特によかった奏者を指し示すのですが、何人も何人も仕舞いには全員によくやった、これからが楽しみだ、というような想いが感じられました。

聴いて見ている私たちに活力をもらったような、素晴らしいプロジェクトの音楽です。

※日本、中国での公演は終了しました
 公演の詳細は小澤征爾音楽塾のサイトで。

(サントリーホールにて)
『ムサシ』(3/4-4/19)
井上ひさしの新作戯曲、ムサシ。
その設定が面白いと思いました。
「巌流島の決闘」で戦ったムサシ(藤原竜也)と小次郎(小栗旬)。
討った小次郎の息があるのを見て、ムサシは検死役の藩医に介抱を求めました。
そして一命を取り留めた小次郎。
後に彼らが鎌倉の小さな禅寺で再会する、という後日譚です。

この寺で遭遇する人々に巻き込まれて、二人は生死について、それと気付かずに悟っていくという一工夫も二工夫も凝らされています。
舞台の上の人々は、登場人物さながらに体を張っての大奮闘。
その想いが直に観客に伝わり、場内は熱く暑く・・・。

藤原竜也小栗旬は実年齢では同世代。
年上のムサシに扮する藤原竜也は、それなりに渋い中年ムサシという役作りに、蜷川作品ごとの成長が大きく見られます。
そして今回はまた新たな彼自身のフィールドを広げたのだと、感嘆の声をあげたくなりました。
ムサシを見守る沢庵和尚の辻萬長。大らかで懐の広い眼差しが、その後のムサシに影響を与えたことは明らかです。

さて、井上ひさし作品の時代物の大作には、俗世のその奥深くにちらりと光り輝く本質が見える魅力があります。
今回は終盤、その答えが誰にでもわかるところにドンと置いてあるような印象を受けました。
欲を言えば、観る者がもっと苦労してそれを見つけたかったと思います。

写真はプログラムの表紙。
黒バージョン、白バージョンがあります。黒はムサシ?

作・井上ひさし(吉川英治「宮本武蔵」より)、演出・蜷川幸雄、音楽・宮川彬良、美術・中越司、照明・勝柴次朗、衣裳・小峰リリー

※公演詳細はこまつ座のサイトで。
 4月25日(土)~5月10日(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演されます。

(彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにて)

『シュート・ザ・クロウ』(4/10-26)
新国立劇場のシリーズ・同時代【海外編】第2弾は、北アイルランドの作家オーウェン・マカファーティによる作品です。(第1弾は『昔の女』)

登場する人物は、4人ともタイル貼り職人です。
突然の雨、閉塞感が、何となく昔訪れたアイルランドのイメージと重なりました。

二人一組で受け持つ部屋のタイルを貼っている職人たち(平田満、板尾創路、阿南健治、柄本祐)。
黙々と、開演前から黙々と。
どうりで開演前のロビーが閑散としていたわけです。

キチッとラインを揃えて貼っている彼らは、几帳面なのだろうか?何を考えながら仕事をしているのだろう?
観客の頭の中には、開演前から芝居の舞台が出来上がっていきました。
そして彼らの断片的な会話。
そこからは、彼らのこだわり、なぜこんなに喧嘩っ早いのか、全てが全力なのか、適当なのか、互いの話を聞いているのか、いないのか。
第三者にはよくわかりません。
しかしそれらの全てに彼らの生きざまや人生観が込められているのだと気付いた時、突然、彼らを放っておけない感情が沸き起こりました。
もちろん、私たちに何かができるわけではありません。そこで彼らの心の痛みだけを共有したような気持ちになりました。
仕事には人それぞれ一生のうちに様々な意味を見出すものなのだということを、生活する糧である以上に重く心にのしかかった話でもありました。

加筆すると
4人の世代は、60代、30代が二人、10代という構成です。
異なる世代の考え方、または同世代だから理解できること、など、小さなエピソードですが、それがまた観る者の心に響くのです。
一番若い19歳の青年ランドルフ。
自分の想いと、仕事に対する考え方を量りにかけて、やっぱり仕事を気にするところがとても初々しくて可愛らしい。その可愛らしさを絶妙な‘’で柄本祐が好演しています。

プログラムによると、作品のタイトル「シュート・ザ・クロウ」には、「さっさと仕事を切り上げて、一杯飲みにいこうぜ」という意味があるのだそうです。

さて、新国立劇場初の試みです。公演中の金曜日には終演後にロビーがパブになります
アイルランド特有の黒ビールでもいかがでしょうか。

作・オーウェン・マカファーティ、翻訳・浦辺千鶴、小田島恒志、演出・田村孝裕、美術・衣裳・伊藤雅子、照明・中川隆一、音響・加藤温

「シュート・ザ・クロウ」豆ちしき なるサイトが!

※新国立劇場のサイトには、作家オーウェン・マカファーティのメッセージも掲載されています。

※公演の詳細は新国立劇場のサイトで。

(新国立劇場 小劇場THE PITにて)

☆「悲劇喜劇 2009年 05月号」 早川書房
 『シュート・ザ・クロウ』の戯曲が掲載されています。
 

『MADAME DE SADE(サド侯爵夫人)』(3/13-5/23)
随分前から既にチケットは完売でした。

日本人の三島有紀夫の作品であること、そしてサド公爵夫人の母親モントルイユ役をスクリーンでも有名なジュディ・ディンチが演じていることが話題を呼んでいるようです。
そして次のドンマーウェアハウス・ウェストエンドシーズン作品は『ハムレット』、ジュード・ロウが登場します。

当日券を求めて、9時40分に劇場に到着。
既に10人以上が並んでいました。
前日に当日券情報を確認したところ、STALLSという最良席の戻りがあれば数席、そして当日立ち見席、BOX席が出て、だいだい10席くらいはチケットが出るかもしれない・・・というところでした。
列にはソワレを買い求める人もいたようで、番がまわってきた頃にはマチネのチケットは立ち見(10ポンド)は完売、次に安いBOX席(25ポンド)が買えました。

舞台下手に一番近い2階のBOX席には可動式の普通の椅子が2脚置かれているだけの意外と広い空間です。
向かい側のBOX席を見ると、身を乗り出したり、内側に引っ込んでいたり、気楽に過ごしているようです。
足元のスペースも十分あるので、クロークいらずで本当に楽でした。

いざ幕が開くと、下手に近い割りに舞台が見渡せました。
巴里 一七七二年」と幕に文字が映し出されます。
この演出に、作者が日本人の三島由紀夫であることが強調されたような心地がしました。
再び「Paris 一七七二年」。
年号が漢字のままというのが、ご愛嬌です。

グレーというよりシルバーに塗られた壁が、舞台の上の閉塞感を助長している中で、さすがに西洋の俳優が演じる様子は小説から人物が飛び出したようで少々恐ろしくもありました。
美しく品のあるサド侯爵の妻ルネ、小生意気で世間を知った風情のルネの妹のアンヌ、そして彼女たちの母で凜として体裁を保とうとする厳粛さに溢れたモントルイユ
英語のセリフの理解力の無い自分にとって、一目で登場人物の性格を示す俳優の器量、力量に感服しました。
品性のかけらもないサン・フォン伯爵夫人、そして次にはルネが「アルフォンスは私自身」というセリフを恍惚とした表情で語る場面は、絢爛な衣裳で覆い隠した内面が生々しく見えるようでした。

女たちの言葉の応酬と競い合い。
過度な演出を抑え、小説の一場面が舞台の上に存在しているのを感じました。

作・三島由紀夫、英訳・ドナルド・キーン、演出・マイケル・グランデイジ

ウェストエンドでは観たい作品は諦めず、労を惜しまないことです。

公演詳細は公式サイトで。
 6人の女性たち、登場人物の舞台写真が掲載されています


※↑公式サイトが削除されているので、写真の掲載されている記事をご紹介します。
The Telegraph

(WYNDHAM’S THEATREにて)




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