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kangekinocafe

Author:kangekinocafe
観劇の記録と紹介です。

えびす組劇場見聞録メンバーです。
しばらくblogはお休みしていましたが、【演劇、観劇のカフェ】blogからこちらに引っ越して来ました。
どうぞよろしく。

観劇のカフェ
出会った作品について語ります。関連書籍や音楽も、できる限りご紹介します。
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『スティング PERFOMING WITH エディン・カラマーゾフ』(12/16-18)
スティングの歌声と楽曲の曲調が好きで、これまでも武道館には一人ででもライブを聴きに行っていました。
しかし今年のザ・ポリスとしての来日公演の会場は東京ドーム、あまりに大きすぎてこれにはなぜか足を運ぶ気にならなかったところ、オーチャードホールでの公演と聞いて、どんなに音楽と向き合った歌声が聴けるものかと楽しみに向かいました。

それは想像以上と言ってもいいほどでした。
「SONGS FROM THE LABYRINTH」
スティング PERFOMING WITH エディン・カラマーゾフ
なぜオーチャードホールなのか、だからオーチャードホールなのかと、この東京公演で聴くことができたことを幸せに思います。

第一部では、少年少女のアカペラのコーラスのみで数曲演奏が行われ、休憩を挟んで第二部では弦楽器に囲まれ、スティングとエディン・カラマーゾフ、そして時には先程のコーラスが加わっての全くのアコースティックな世界にホールが包まれます。
古典的な響きの楽曲の合間に、スティングによる解説がありました。

ユニヴァーサル・クラッシックのアルバム紹介で、スティングは1563年生まれのジョン・ダウランドは 「ぼくにとって、これは17世紀のポップ・ソングなんだ・・・。」 と語っています。
(このアルバム紹介のサイトで、試聴できます)

ブリティッシュ・ロックの一時代を築いたスティング。
極めた彼の新しい試みなのか、それとも定めた方向性なのか、それぐらい古典のメロディを歌う彼のスタイルは斬新でありながら真摯に映ります。
客席の照明を落とした中で、リュートと彼の歌声を聴きながら、癒されるようでした。
しかし、彼がかつてのヒット曲を奏でると、客席は待ってましたとばかりに沸くのでした。

(オーチャードホールにて)

※この後パシフィコ横浜での公演が行われました。
 その時のセットリストがウドー音楽事務所のサイトで公開されています。

☆スティング「ラビリンス」CD
 

☆スティング「ジャーニー&ラビリンス」DVD
 

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KERA・MAP#005『あれから』(12/13-28)
KERA・MAPと称する公演の5回目の作品は、作・演出・ケラリーノ・サンドロヴィッチの『あれから』。
最近のケラ作品で印象的だったのは『犬は鎖につなぐべからず』(2007年5-6月)です。
岸田國士の短編作品ごとの時間と空間と関係性を微妙に関連づけた作品の構成は大変見事なものでした。

今回の作品はケラリーノの書き下ろしですが、2組の夫婦、昔の自分たち、そして彼らの関係性が表現された舞台は、『犬は鎖につなぐべからず』の舞台を彷彿させつつ、様々な人々の日常が、舞台ならではのスピーディーな時間の経過によって、それはまるでテレビのドラマを観ているようではあるけれど、観客を一気に物語の中へと引き込みます。

30年ぶりに再会した2人の女性。
その時は2人とも、高校時代の「あれから」について、多くは語りませんでした。
しかし、周囲の人々との関係の中で、それぞれの30年間を知ることになります。
あの時の、あのことからの「あれから」が・・・。

見事に引かれた伏線で、観客だけは点と点がつながる様を登場人物より先に知ることができます。
そんな楽しみのある演出の中で起きる日常は、そして彼らの過去は、生易しいものではありませんでした。
一筋縄ではいかない手法に緊張感が保たれます。

同級生の2人が「あれから」を「これから」として物事が見られるようになる、その姿を見守りつつ、自分もそうありたいと思いました。

高橋ひとみ、余貴美子、高橋克実、渡辺いっけい、萩原聖人など、テレビドラマでもお馴染みの俳優ですが、舞台を良く知る彼らの人と人との関係性が魅力です。

作・演出・ケラリーノ・サンドロヴィッチ、美術・BOKETA、音響・水越佳一、照明・関口裕二、音楽・三浦修一、映像・上田大樹、衣裳・堀口健一

※公演詳細は、世田谷パブリックシアターのサイトで。

(世田谷パブリックシアターにて)

『舞台は夢 イリュージョン・コミック』(12/3-23)
作者はフランスのルーアンに1606年に生まれたピエール・コルネイユ
劇場で販売しているプログラムには、大変興味深い年表が掲載されていました。
コルネイの生涯と、その頃の日本の演劇の活動が一目でわかるものです。
詳細はプログラムをご覧いただくことにしますが、江戸幕府が開かれ、阿国歌舞伎が生まれ、女性による上演が禁止された後に今の歌舞伎の原型ができ、初代の坂田藤十郎や市川團十郎の誕生を経る、その間70年余り。
一方コルネイユの生涯の中で、フランスでは演劇や俳優という職業が世間に地位が確立していったのだそうです。
アメリカの次期大統領であるオバマ氏が勝利演説で語っていた、106年の人生の間に女性として、そして黒人として選挙権を得るに至る経緯と世の中の変貌を見守ってきたある女性の話を思い出しました。

前置きが長くなりました。
今回は舞台美術も斬新に、客席が舞台を囲み、暗闇の中、そこに存在する劇場が地の底であるかのような閉塞感があります。
家出した息子のクランドール(堤真一)を探す父親のプリダマン(金内喜久雄)が魔術師アルカンドル(段田安則)の手引きで登場。
魔術師の語る幻によって見せられるのは、息子の浮き沈みのある人生でした。

フランスの古典喜劇の軽快なセリフ回しと、くるくると変わる感情の変化を楽しみました。
魔術師アルカンドルやクランドールの主人であるマタモールを、伸縮自在な幅の広い芸が魅力の段田安則がぐいぐいと物語を引っ張っていきます。
そして賢さで主人を盛り上げ、それでいて本音で生きる従者クランドールに、堤真一屈託のない役柄のしどころに興味が集まります。
息子を心から案じている父親の金内喜久夫、その友人の磯部勉など、暗闇に響き渡るの彼らの声が、観る者を幻の世界へと導いていきました。

さて、開幕してからこの間、通常の客席側(S席)と、舞台をはさんで対面の席(A席)の両方から観てみました。
両方から見た発見というのは、もちろんあります。
手を伸ばせば届きそうで届かない中央に存在する彼らの人生を、夢のように感じながら見ていました。
そしてその演出には、短く発せられる膨大な文体に感情を吹き込んで、その意味を観客に解こうとする姿勢を感じました。

作・ピエール・コルネイユ、翻訳・伊藤洋、演出・鵜山仁、美術・島次郎、照明・勝柴次朗、音響・上田好生、衣裳・太田雅公

※公演詳細は、新国立劇場のサイトで。

(新国立劇場 中劇場にて)

☆作・ピエール・コルネイユ、訳・岩瀬孝 「嘘つき男」岩波文庫
 「舞台は夢」を収録.。
 

『日陰者に照る月』(12/11-22)
心が突き動かされるような作品に出会えたことを幸せに思います。

1923年、アメリカのコネチカット州にある小さなさびれた農場が舞台。
年老いた父と男勝りの長女。
弟たちは田舎暮らしが嫌で、すでに都会で職を得て生活しています。
一番下の弟は、姉が追い立てるように兄たちの元に送り出しました。
そんな状況から始まるこの物語は、中年の男女の愛の形を心の傷から染み渡るように見せてくれます。

作者は、ユージン・オニール。
彼自身の経験や家族のことをもとに書かれた作品が多いと聞きます。
オニール作品では、新国立劇場で2007年6月に観た『氷屋来たる』が記憶に新しいところですが、文学座では創立71周年にして、初めてオニールの戯曲を上演するのだそうです。
今回の演出は西川信廣。

小作農の娘ジョージ(富沢亜子)、そして地主のジム・ティローン。
それにジョーの父フィル・ホーガン(加藤武)も加わって、言いたい放題、腹を割った会話が、彼らの信頼関係を象徴しています。
虚勢を張るジョーですが、心の底からジムを愛し、またジムもジョーを思いやっていることがわかります。
しかし、このくらいの年齢になると、世間のどの位置に自分が置かれているのか知りすぎているようです。
相手を思いやる心を持つということ、愛することとはこんなにも自分の気持ちを正直にぶつけてはいけないものなのかと切なくなりました。
互いに傷つけないように、負担にならないようにと心にブレーキをかけながらも引き寄せられる二人の姿は、気持ちで結ばれる尊さを深く考えさせます。
ストレートに自分の意見を主張するのが当たり前のような現代に生きる私たちにとって、その展開はもどかしく感じられることかもしれません。
だからこそでしょうか。
彼らの心の奥底にある理性と品性が美しく月の光に照らされて、見えないはずの心が神々しく見えてくるのを感じました。

舞台美術の美しさ。
照明が全体を照らしている時には気が付きませんが、物語が夜を迎えた時に象徴的に月が照らすその美しい情景は、観る者の心にいつまでも残ります。

本当の強さと優しさのある女性の美しさを、富沢亜子が見せてくれます。
心で演じる美しさが、観る者の心を揺さぶりました。


作・ユージン・オニール、訳・酒井洋子、演出・西川信廣、
美術・乗峯雅寛、照明・塚本悟、音響効果・中嶋直勝、衣裳・山田靖子

※公演詳細は、文学座の公式サイトで。

(吉祥寺シアターにて)
『RENT』(11/7-12/30)
ジョナサン・ラーソンが作詞・作曲・脚本のミュージカル『RENT』。
2006年に映画の公開、そして来日キャストによる公演が行われたので、その楽曲を知る方も多いと思います。
日本版の舞台も過去に上演されました。
今回は、オーディションで選ばれたキャストと、演出も新たにエリカ・シュミットが担当して、全くの日本初演の演出で上演されています。

この作品については、海外版の来日公演を観たことがあります。
キャストのずば抜けた歌唱とダンスのスタイルに圧倒されながらも、そこで感じ取ったのは友人や家族の絆でした。

さて、今回は・・・。
周囲の人々の生きざまを記録映画を撮りながら静観しているマークに森山未來、そして有名無名、さらに国籍を問わず、オーディションで役を得たキャストが並びます。
ダブルキャストの配役もあるので、11月7日、8日と、初日が2回に渡って行われたようなもので、その2日目に観劇しました。
彼らは自らの手で掴んだこの瞬間を大切に演じ、歌い、踊っているように見えます。
例えて言うならブロードウェイ・ミュージカルの『コーラス・ライン』で最後にラインに並んだのが今の彼らというわけです。
舞台に立つ彼らの歌声の尊い響きに、今の日本の音楽界の層の厚さを感じました。
太く力強い歌声が、若い彼らのスタイルの良い身体から発せられています。
しかし、この作品にはそんな技量や情熱だけでは言い表せない「何か」がまだ潜んで表面に出ていないように思いました。

幕が開いて、一カ月になろうとしています。
今では最初から観客がステージの上の彼らを盛り上げ、劇場内が一体となっているという話も聞きます。
彼らの情熱と力量から、今や『RENT』の住人として舞台の上に存在していることを信じています。

演出・脚本・作詞・音楽・ジョナサン・ラーソン、演出・ エリカ・シュミット、
訳詞・ 吉元由美、音楽監督・ 池上知嘉子、振付・ 辻本知彦、美術・ デイビッド・コリンズ、衣装・ ミシェル・フィリップス、照明・ 高見和義、音響・ 本間俊哉

※公演詳細は、公式サイトで。

(シアタークリエにて)

☆映画「RENT」DVD




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