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kangekinocafe

Author:kangekinocafe
観劇の記録と紹介です。

えびす組劇場見聞録メンバーです。
しばらくblogはお休みしていましたが、【演劇、観劇のカフェ】blogからこちらに引っ越して来ました。
どうぞよろしく。

観劇のカフェ
出会った作品について語ります。関連書籍や音楽も、できる限りご紹介します。
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『パーマネント・ウェイ』(11/20-12/4)
燐光群によるデイヴィッド・ヘアー新作連続上演のvol.1。

入場時に渡されたプログラムには、最近イギリスで起きた列車事故の記録が掲載されていました。「作品に登場するイギリスの鉄道事故」として。
向かい合う客席に挟まれた舞台には、砂利と枕木と、その上には列車の線路が敷かれています。信号機もあり、柵の内側には雑草が生えているリアリティのある景色。どうやらここは、列車の事故現場だった場所のようです。
しばらくすると、場内に列車が急ブレーキをかけている音が。そして、突然の真っ暗闇の中で、衝突のような轟音が響き渡りました。その暗闇の中で自分が求めたのは、漏れている微かな光。
燐光群作品、7月にはテロに占拠された劇場の人質のような状況下で、芝居の成り行きを見守りました。今回も想像を絶する”列車の衝突”という瞬間に何を思うか、という課題を提示されたような気がしました。
しかしこれはまだ、開演直後のこと。芝居は、作家デイヴィッド・ヘアーが、その列車事故についての芝居を書くために、関係者にインタヴューをしている形式で進行します。

事実は小説よりも奇なり。
その大惨事が様々な意味で決着のつかないうちに、次から次へと同様の列車事故が繰り返し起きるのです。
登場人物が事故の度に繰り返しつぶやくフレーズがあります。「こういうの、映画であったわ。そう『恋はデジャブ』。」思い出したくない惨事が、繰り返し繰り返し起こり続けることへの疑問と、怒りと、苛立ちと、そんな印象を抱きました。
イギリス国内の事情を皮肉った作品ではあるけれど、日本にいる私たちにとっても既に他人事ではないことは、残念ながら、明らかなことです。
あなたはこの芝居を、どのように受け止めるのでしょうか。

作・デイヴィッド・ヘアー、訳・常田景子、演出・坂手洋二
(シアタートラムにて)

☆デイヴィッド・ヘアーの一部作品紹介。
舞台作品『パーマネント・ウェイ』『スカイライト』『ブルールーム』他

☆『ダメージ』脚本・映画作品DVDを収録
ルイ・マル DVD-BOX(3)【KKDS-188】=>18%OFF!ルイ・マル DVD-BOX(3)

☆『めぐりあう時間たち』脚本・映画作品DVD
めぐりあう時間たち

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『児雷也豪傑譚話』(11/2-26)
菊五郎劇団の公演。見事な舞台でした。
丸っきりの古典的な歌舞伎とは少々異なる趣の舞台装置、衣装、メイク、小道具の登場はあるものの、しっかりと歌舞伎の芸が土台になって、その上でアレンジされた演出が、見事に合っていました。
新曲の音楽あり、パロディあり、宙乗りあり・・・と、結構盛り沢山ではあるけれど、それが芝居の筋から逸脱せず、嫌味がないのが面白い。イヤホンガイドの解説で、観客を喜ばせるような場面のことを、「ご馳走」と言っていました。古典芸能らしい、粋な表現ですね。
役者もパロディの芝居では思い切りがいいし、一体誰が演出を・・・と思いチラシを見たら、尾上菊五郎。ちょっとおやじギャグっぽいところもあるけれど、こんなにユーモアのセンスがあるのかと、興味深く観ていました。

児雷也(菊之助)と綱手(亀治郎)の若夫婦は、幼いころに大蛇丸(松緑)の策略により両親を失い、児雷也は姉と生き別れ、彼らも大蛇丸の手により谷底に突き落とされました。
仙素道人(松助)に育てられた彼らは、その敵討ちには、浪切の剣を手に入れ、二人が力を合わせて敵に向かうことであるという教えと、妖術を授けられます。
しかしある時、変装を見破られたことから、児雷也が一人で大蛇丸と戦うことに。綱手が駆けつけますが、時既に遅く、児雷也は大蛇の毒により、視力を失い、足腰も立たなくなってしまいました。
その後二人は箱根で温泉治療をしますが、実は、巳の年巳の日巳の刻に生まれた血を分けた者の生き血を飲む以外に、児雷也の病が治る手立てはないのです。その温泉宿の娘あやめ(芝雀)はそのことが気になる様子。さて、この先どうなるのか・・・

ストーリーも、『柵自来也談』として1807年に上演されて以来(上演プログラムより)昔から続いている作品です。時代とともに練られて、人々に親しまれてきた作品ですから、面白くないはずはありません。

そしてもう一つ。菊之助と松也は、最初から立役(男の役のこと)でした。それぞれ憂いを秘めた表情で素晴らしいのですが、やはり美しい女方の姿も観たいと思っていたら、児雷也が鼠小僧よろしく富豪の家からお金を奪う義賊としての話が挿入されており、そこで巫女に変装した児雷也(菊之助)と、その家の娘(松也)という設定で観ることができました。これもご馳走?
歌舞伎では、私達は見栄の一番いいカタチに拍手を贈っているのだな、ということに気づきました。これぞ、エンターテイメント!な舞台です。

ほとんど毎日、昼夜公演です。
温泉宿の娘あやめを演じるのは芝雀。でも今月歌舞伎座夜の部の『日向嶋景清』で、景清の娘・糸滝を演じているのも芝雀。
歌舞伎では、昼夜公演に同じ役者が出演するのは珍しいことではありませんが、近いとは言え、二つの劇場を股にかけて出演しているのには恐れ入りました。

原作・河竹黙阿弥、脚本・今井豊茂、演出・尾上菊五郎

(新橋演舞場にて)
『吉例顔見世大歌舞伎』夜の部(11/1-25)
夜の部。出し物は『日向嶋景清』『鞍馬山誉鷹』『連獅子』『おさん茂兵衛大経師昔暦』。

この部の目玉は、中村大改め初代中村鷹之資の襲名披露でしょうか。
2階ロビーには、写真のようなお祝いが展示されています。
初代の柄ということで着物の展示もありましたが、鷹之資は満6歳ですから、かわいいサイズの着物です。
中村富十郎の長男ということで、周囲もお父さんのような名優になることを期待しているのがわかります。
演目は襲名披露のために書き下ろされた『鞍馬山誉鷹』(作・今井豊茂)。
鷹之資は牛若丸の役で、大勢の敵を相手にしっかりとポーズ(とは言わないのでしょうが)を決めながら、果敢に戦っていました。
口上では、小さい鷹之資が下げる頭と同じぐらい低い姿勢で観客に挨拶する富十郎の姿に、心を打たれてしまいました。
「初代の襲名披露」というものを観たのは初めてなので、これも何かの縁、末長く鷹之資の成長を見守りたいと思います。

今月は、親子がテーマと感じさせる演目が満載。『日向嶋景清』も、源氏に敗れて孤島に住む平景清と、父親といつか一緒に暮らそうと廓勤めをしてお金を貯めて、ようやく探しに来た娘との対面の物語り。いざ出会うと、互いに相手の立場を思い遣るあまり本心が言えず、親子関係の切なさを感じました。

幸四郎、染五郎親子の『連獅子』も、親の気持ち、子の気持ちが、表情だけでよく伝わってきます。染五郎の子供の獅子の仕草が、とても愛らしかった。

(歌舞伎座にて)
『フクロウの賭け』
世田谷パブリックシアター★ドラマリーディング25。
上演にむけての新作戯曲リーディング、ということで、今回は川村毅・作の『フクロウの賭け』が、登場人物6人(この日は江守徹の役を、川村毅が代行)によって公開本読みのような形式で上演されました。
川村氏曰く、欧米ではよくある形式でも、日本の作品(この時点では未完成)をリーディングするという試みは、今までなかったのだそうです。そこで、日本の新作でもやろう!ということで、数年前から他の作家とともに始められました。
川村毅の作品では、『クリオネ』のリーディング以来二度目の体験です。その時は第一稿をサイスタジオで(未見)、ここシアタートラムでは第二稿が上演されました。一稿から登場人物が変更になった箇所があったと聞いています。二稿では結末までは上演されませんでした。そして最終的にザ・スズナリで全編が上演されました。

配布された資料によると、「現実に起きたのか起こらなかったのか判らない殺人事件」を通して、現在東京に生きる人々の心の闇、痛みを描く<神なき国の夜>シリーズ三部作の第ニ弾・・・と、いうことで、第ー弾が『クリオネ』だったというわけです。
両作品とも、加害者と被害者の両者が接し、中でも被害者の心情に焦点が当てられています。

終演後のポストトークで川村氏は「観客がどういうところで反応したのか知ることができる、作家として贅沢な体験」と述べていましたが、『クリオネ』ではリーディングでのスリリングな経過にしては、あっさりと終息してしまったことが気になりました。
今回もかなり続きが楽しみな展開のまま持ち越されましたが、どうまとめられるのか注目したいところです。これで来年2月の完成作も観ることに・・・。同じシアタートラムで上演されます。

(シアタートラムにて)
『結婚』(11/11-12)
ゴーゴリ作。『どん底』のゴーリキーではありません。こんなオチも劇中使われていました。
喜劇の短編をいくつか発表しているロシアの作家で、『鼻』『外套』『狂人日記』などがあるそうです。それらのー部が舞台をさまよい歩き、作品を印象づけてくれました。

文学座の今回で6回目となるSANYO HALL スペシャルシアター短編傑作劇フォーラムでは、今まで馴染みのないと思っていた作家の人となり、作品について、毎回興味を持たせてくれる趣向と演出が凝らされています。
そして、このシリーズの案内人は、いつも演出家が務めます。
今回は、森さゆ里。
『結婚』というタイトルどおり、様々な観点から結婚したがっている男性たち、その対象となる一人の女性、世話をやきたがる人々が登場しますが、傍から見ていて、まさに一番面白い部分が作品になっているわけです。
個性の代表のような男性陣、セリフで事前にどんな人々かが語られるのですが、例えば、体全体に威圧感を感じる威厳のある人、野いちごのような口元の上品な人・・・など、言葉の上ではなく、それに扮する適役がいるところなど、文学座ならでは(?)でしょうか。

作品の外で登場人物たちが、作品について意見する場面が設けられています。女性の演出家ならではと感じるストレートな切り口が、フォーラムの案内人として斬新に感じられました。

短編だし、他の作品にも触れようてみようかと思います。

作・ゴーゴリ、翻訳・堀江新二
構成/上演台本・野田治彦、演出/案内人・森さゆ里

(サンヨーホールにて)
☆『結婚』訳・堀江新二、群像社
結婚

☆『外套』 講談社文芸文庫 『外套』『鼻』を収録
外套

☆『狂人日記』岩波文庫
CD『モーツァルト!』初演ライヴ盤
既に周知のとおり、2002年に幕を開けた『モーツァルト!』の初演ライヴ盤CDの販売が、11月末で終了します。
東宝のサイトで購入できるのですが、モーツァルトWキャストのうち、井上芳雄ヴァージョンが「在庫なし」に。
思い起こせば、初演の初日に観る機会があった、井上ヴァージョン。結局、初演はその一回しか観ていません。懐かしい想いと同時に、無いと聞くと手に入れたくなるのが人情。
どうすればいいのか?!
現在も『モーツァルト!』は公演中。福岡の劇場(博多座)で手に入れる方法があります。でも博多は遠い。
東京近郊ではどこか・・・灯台下暗し。帝国劇場の売店で販売していました。
でも数が少ないそうです。
ちなみに、本田美奈子『アメイジング・グレイス』も、今日(11/11)の時点で在庫がありました。

今は『マイ・フェア・レディ』公演中。チケットが無くても、売店利用の旨を伝えれば、上演時間中は入れてくれます。
用事が済んだら、速やかに立ち去るマナーは必要です。

(帝国劇場にて)
幾通りもの人生を生きた、本田美奈子
11月6日に、その訃報が私たち観客に飛び込んできました。
アイドル時代の彼女を、よく知りません。邦楽歌謡曲より、舞台に関心があったので、彼女が自分のフィールドに突然現われた、というのが彼女に対する印象なのです。
オーディションによる本格的なミュージカルとして大ヒットした『レ・ミゼラブル』に続く大作『ミス・サイゴン』は、1992年4月に帝国劇場で幕を開けました。
当時はキム、エンジニアなど主要キャストがWキャストとして発表されたにもかかわらず、市村正親のエンジニアがあまりにも評判を呼んだため、もう一人のキャストが降板したという話までありました。
連日話題の『ミス・サイゴン』で、初めて女優としての本田美奈子を観ました。全身から絞り出すように喜びも悲しみも歌いあげる彼女。本当に幸せそうに見えた、米兵クリスと仲間内で婚礼をあげた時のキムを演じる彼女の表情と歌声は、今も鮮明に思い出されます。
彼女のスリムな体に、衣装のアオザイがよく似合っていました。
そして幼い息子タムの幸せの選択に苦悩する母親としてのキムの姿。
その後ロンドンでロングラン上演されていた同作品を観ましたが、語りかけ、訴えていた彼女のキムが、その頃は勝っているように思えました。

しばらくして、ミュージカルに挑戦し始めた高嶋政宏主演の『王様と私』で、王への貢ものである女性タプチムを演じていた彼女。今では考えられませんが、まだ歌唱がおぼつかなかった高嶋を脇から固めるように配されたキャストとして、彼女の存在、役柄は印象的でした。

そして再演された『レ・ミゼラブル』の舞台に、彼女は薄幸の少女エポニーヌとして立っていました。この役は島田歌穂が当たり役としていましたが、Wキャストで得た役を、彼女は誰にも真似のできない独特の持ち味で、島田歌穂とは異なる印象のエポニーヌを演じていました。歌唱にパワーがある彼女でしたが、私の中では「演じきっていた」という印象を、キムにしても、このエポニーヌにしても抱いています。もはやミュージカルの女優として、彼女の居場所は舞台にあったのだと思います。

ミュージカル女優としての彼女の出演作で、まだまだ観ていない作品がありました。『クラウディア』は今年再演ということで期待していましたが、そこへ降板の知らせが。工藤夕貴の熱唱を聴きながら、初演の彼女の舞台を想像することになりましたが、二度と舞台の上の彼女を観ることもできなくなってしまいました。

しかし、彼女はなんという道を歩んだのでしょう。一人で幾通りもの人生を、何十回と生きたのです。その生きた姿と澄んだ歌声は、作品とともに私たちの記憶にいつまでも残ることでしょう。同じ時代を生きて、彼女の舞台を観ることができたことが、彼女からのプレゼントであり、その歌声を忘れないことが私たちから彼女への感謝の気持ちになるのだと信じています。

☆ミュージカル『十二夜』のナンバーを収録。「アメイジング・グレイス」
■送料無料■本田美奈子 CD+DVD【アメイジング・グレイス】 10/19

『吉例顔見世大歌舞伎』昼の部(11/1-25)
とある日の昼の部。出し物は『息子』『熊谷陣屋』『雨の五郎/うかれ坊主』『人情噺文七元結』。

11月の昼と夜、どちらを観ようかえびす組コンスタンツェに相談したら、「まだ観たことがなければ、『熊谷陣屋』は観ておいた方がいいですよ」という返答でした。

『熊谷陣屋』一幕は、義経の命を受けた源氏の武将である熊谷次郎直実(仁左衛門)が、平経盛の子、実は後白河院の血を引く敦盛の首を討ち取ったことに起因する話です。
敦盛本人の首かどうかを確かめる首実検の日、敦盛の母の藤の方(秀太郎)が直実に斬りかかってきますが、直実と妻の相模(雀右衛門・人間国宝)は藤の方には恩ある身、直実は自分の持つ刀一切を藤の方に差し出し、敦盛最期の様子を話します。
ついに首実検の時が。直実が討ち取った首、義経は確かに敦盛だと証言しますが、それを見て驚く二人の母親・・・
あとは舞台をご覧ください。首を抱く仁左衛門の表情は、涙なくしては観られません。
舞台の幕が引かれたその後に、直実が悲しみの想いでゆっくりと花道を去って行く見せ場があります。三階席からは花道が見えにくいのですが、この時は覗き込むようにして仁左衛門の姿を追いました。
そこで客席にえびす組コンスタンツェの姿を発見。歌舞伎の名作に、コンスタンツェの姿ありです。

今月の昼の部は、人情味ある出し物ばかり。人間国宝の演技は初めてでしたが堪能し、最後に『人情噺文七元結』を観て、笑って劇場を後にしました。

歌舞伎座にて)



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